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ローの初仕事

仲間になった黒狼のロー

黒狼のローが仲間になってから、一行は助けた少年を連れてフンワリ草原の牧場へ戻った。


「ありがとうございました!」


助けられた少年は何度も頭を下げる。


牧場主のハンスも目に涙を浮かべていた。


「息子を助けていただき、本当にありがとうございます。」


シアンは照れくさそうに笑う。


「無事でよかったです。」


その横で、ローは少年に鼻先を近づける。


「ウォン。」


少年は少し驚いたが、恐る恐るローの頭を撫でた。


「ふわふわだ……。」


ローは気持ちよさそうに目を細める。


「もうすっかり仲良しね。」


ミントが優しく微笑む。


「賢い子だわ。」


シルヴァは腕を組みながら感心したように言う。


「普通の魔物なら人間にここまで心を許さない。」


その夜、一行は牧場に泊めてもらうことになった。


夕食には焼きたてのパン、野菜のスープ、そして香草で焼いた羊肉が並ぶ。


「いただきます!」


シアンは勢いよく食べ始める。


「おいしい!」


「そんなに慌てると喉に詰まるぞ。」


シルヴァが苦笑する。


ミントは小さく笑いながら、肉を一切れローの前へ置いた。


「ローもどうぞ。」


ローは一度シアンの顔を見る。


まるで「食べてもいい?」と確認しているようだった。


「いいよ。」


シアンがうなずくと、ローは嬉しそうに肉をくわえ、一口で平らげた。


「すごい食べっぷり。」


ミントが笑う。


食事のあと、牧場の見回りをしていたローが突然立ち止まった。


耳をぴんと立て、風の匂いを嗅いでいる。


「どうしたの?」


シアンが近づく。


ローは森とは反対の丘を見つめ、小さく鳴いた。


「ウォン。」


ミントは静かに目を閉じる。


「黒い魔力じゃない……。」


「じゃあ何だ?」


シルヴァが尋ねる。


「誰かが近づいている。」


しばらくすると、街道の向こうから一台の荷馬車が姿を現した。


旅の商人だった。


「道に迷ってしまってね。」


商人は苦笑しながら頭を下げる。


「近くに明かりが見えたから助かったよ。」


シルヴァは笑う。


「ローのおかげだな。」


商人は黒狼の姿を見て一瞬身構えたが、ローが静かに座る姿を見ると安心したようだった。


「大人しい子ですね。」


シアンは嬉しそうにローの首を撫でる。


「頼もしい仲間なんです。」


その夜。


皆が眠りについたあとも、ローだけは牧場の入口で静かに座り、周囲を警戒していた。


月明かりに照らされた金色の瞳は、闇の奥まで見通すように輝いている。


シアンはその姿を見て、小さく笑った。


「ありがとう、ロー。」


ローは振り返ると、尻尾を一度だけ振った。


新たな仲間を迎えたパーティーは、少しずつ息を合わせ始めていた。


そして翌朝、彼らはフンワリ草原に広がる黒い魔力の痕跡を追い、次なる手掛かりを探すため再び歩き始めるのだった。

今後のローの活躍に期待です!!

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