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XRX-03:灰色の咆哮  作者: 装機伊織
第5期
53/65

受け継がれるフレー厶

ナイトメアの拠点は、穏やかな午後の光に包まれていた。


エリスはハンガーの一角で、

古い機体のフレームをじっと見つめていた。

それは、レオンの前の機体——XRX-03の残骸だった。

ヴォイド・リーパーは外され、

外装の大部分が剥がれ、

ただの骨格のような状態でドックに固定されている。


エコーはその傍らに立ち、

静かにエリスに声をかけた。


「エリス……

これが、レオンの前の機体だ。

XRX-03。

今はフレームだけだけど……

お前が欲しいと言うなら、

このフレームを、お前に譲ろう」


エリスは目を丸くしてエコーを見上げた。

「……本当に?

私に……くれるの?」


エコーは頷いた。

「ああ。

お前が自分の機体を欲しがった時から、

俺はこれを思い浮かべていた。

レオンの機体を、お前が継ぐ。

外装と内部インターフェイスは、

エリス用にチューンしてもらう。

ガイルとリナが、

お前の粒子反応に合わせた専用設計をしてくれるはずだ」


ガイルが工具を片手に近づいてきて、

笑顔で言った。

「任せろ!

このフレームは頑丈だぜ。

エリスちゃんの粒子を活かした軽量外装に仕上げる。

エーテル粒子を直接操れるような、

エリスちゃんだけの機体にしよう!」


リナがデータパッドを操作しながら加わった。

「内部インターフェイスはエリス専用に最適化するわ。

神経接続深度を抑えめに調整して、

負担を最小限に。

粒子制御システムも新しく設計する。

完成したら……きっと、素敵な機体になるはずよ」


セラは少し離れたところで静かに見守り、

小さく頷いた。

「……エリスに、似合う機体」


エリスはXRX-03のフレームに近づき、

震える手で冷たい金属に触れた。

青紫の粒子が、指先から少しだけ漏れ出し、

フレームに吸い込まれるように消えた。


「……レオンさんの……機体……

私、頑張る。

みんなを守れるように……

強くなる」


エコーはエリスの肩に手を置き、

静かに言った。

「そうだ。

お前はもう、失敗作なんかじゃない。

お前は、エリスだ。

ナイトメアの仲間だ」


ガイルが笑いながら工具を振り上げた。

「よし!

早速作業開始だ!

エリスちゃん、完成したら一緒に飛ぼうぜ!」


リナが微笑み、

「デザインもエリス好みに調整するわ。

どんな色がいい?」


エリスは少し考えて、

エコーの機体を見てから答えた。

「……青と……紫……

エコーみたいに……

きれいな色がいい」


エコーは小さく笑った。

「わかった。

それでいこう」


ハンガーに、工具の音と笑い声が響き始めた。

XRX-03のフレームは、

新たな命を吹き込まれるために、

静かに待っていた。


エコーは皆の様子を見ながら、

心の中で呟いた。


(レオン……

お前の機体は、

今、エリスの手に渡る。

お前が目を覚ました時……

きっと、喜んでくれるはずだ)


風がハンガーの扉を優しく揺らした。

エリスの新しい機体は、

まだ見ぬ未来に向かって、

静かに生まれ変わろうとしていた

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