表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
XRX-03:灰色の咆哮  作者: 装機伊織
第5期
52/65

紫色の翼について

ヴォルテック船の残骸から救出されたエコーたちは、

リ・スター率いるハウンド隊の輸送機に収容され、

旧大陸のナイトメア本部ハンガーへと戻ってきた。


ハンガーの照明が、赤と青に優しく輝く中、

機体が次々と着陸する。

エコーはファントム・クロノスから降り、

エリスを抱きかかえたまま、皆と一緒に歩いた。


ガイルが疲れた笑顔で言った。

「ようやく……帰ってきたな。

もう、船が沈むかと思ったぜ」


リナがデータパッドをチェックしながら息を吐いた。

「エリスの粒子反応も安定してる。

とりあえず、みんな無事でよかった」


セラは無言で頷き、

エリスの肩に軽く手を置いた。


リ・スターがハウンド・プライムから降り、

熱く皆を迎えた。

「みんな、無事で何よりだ!

ヴォルテック船がやられたって報告を受けて、

俺、死ぬほど焦ったぜ!」


エコーはリ・スターに軽く頭を下げた。

「ありがとう、リ・スター。

お前たちの支援がなければ、俺たちはここにいられなかった」


その時、ハンガーの奥から、

静かに浮かぶ一機の機体が皆の視線を集めた。


エルテウスヴァルキリー


青紫の粒子を微かに纏い、

背部のエーテルウイングが優しく折り畳まれている。

機体は静かにドックに固定され、

コックピットは空のままだった。


リ・スターがその機体を見て、

興奮と驚きを隠せずに説明を始めた。


「これが……エルテウスヴァルキリーだ。

ヴォルテックが極秘で開発を進めてた新型機。

エーテルのサンプルから成功した新技術を採用してる。

エーテルリアクターを心臓部に直結することで、

粒子供給がほぼ無限に近くなり、

短時間なら音速を超える飛行と、圧倒的な出力が可能になった。

レオンの昏睡状態の意識と一時的にリンクして、

自動で起動したらしい……

正直、俺たちもびっくりしてる。

エーテルの力は、まだ未知数だぜ」


エコーは機体を見つめ、

静かに呟いた。

「レオン……お前が、俺たちを救ってくれたんだな」


エリスはエコーの手を取り、

小さな声で言った。

「……レオン……さん……

ありがとう」


ガイルが機体に近づき、

感嘆の息を漏らした。

「すげえ……

これが、エーテルの力か。

俺たちの技術と融合したら、

もっとヤバいモンになりそうだぜ」


リナがデータパッドを操作しながら言った。

「エーテルリアクターの安定性はまだ未知数だけど、

この機体があれば、

ナイトメアの戦力は大きく向上するわ。

レオンが目を覚ました時に……

きっと喜ぶはず」


セラは静かに機体を見上げ、

小さく頷いた。


リ・スターが皆に笑顔を向けた。

「とにかく、みんな無事でよかった。

これからはハウンドとナイトメア、

完全に仲間としてまた一緒に戦おうぜ!」


エコーは皆を見回し、

静かに微笑んだ。

「そうだな。

俺たちは悪夢だ。

レオンが戻るまで……

そして、戻った後も。

この翼を、俺たちの力にする」


ハンガーの照明が、

青紫の粒子を優しく照らした。

エルテウスヴァルキリーの目が、

静かに輝いていた。


エリスはエコーの手を握り、

小さな声で言った。

「エコー……

私も、強くなりたい。

みんなと一緒に……」


エコーは少女の頭を撫で、

心の中で誓った。


(レオン……

お前が目を覚ます日まで、

俺たちがこの悪夢を守る)


灰色の空の下、

ナイトメアの新たな章が、

静かに始まろうとしていた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ