本社決戦ー閃光の想ー
ヴォート本社の最上で
二機の機体が灰色の空に浮かんでいた。
XRX-03とファイブ・ヴォイド。
レオンのウィングパックが青白い粒子炎を噴射し、
機体は風を切り裂きながら旋回。
対するカイのファイブ・ヴォイドは、感覚共有の暴走で赤黒く染まり、
機体表面に不気味な脈動のような影が這っている。
ツイン・プラズマガンの砲口が赤く輝き、
まるで生き物のように震えていた。
レオンは操縦桿を強く握った。
今は痛みより、カイの姿が胸を締めつける。
「カイ……!」
ファイブ・ヴォイドが急加速した。
ウィングパックを逆噴射し、
音速を超える速度でレオンに迫る。
ツイン・プラズマガンが連続発射。
青白い弾丸が弧を描きながら襲いかかり、
レオンの機体を追い詰める。
レオンはウィングパックで急旋回し、
わずかな隙間で弾幕をかわすが、
一発が左翼を掠め、火花が散った。
カイの声が通信に響く。
低く、容赦のない声。
「隊長……お前も、俺と同じ痛みを味わえよ」
ファイブ・ヴォイドが急降下。
レオンの真上から、プラズマガンを叩きつけるように連射。
レオンはウィングパックを全開にし、
機体を横滑りさせて回避。
だが、カイの攻撃は予測を超えていた。
次の瞬間、ファイブ・ヴォイドが急旋回し、
レオンの死角からプラズマ弾を浴びせる。
レオンの機体が激しく揺れ、
ネメシアの出力が一瞬落ちた。
「くそ……!」
レオンは歯を食いしばった。
虚空の痛みが爆発的に増幅し、
視界が赤く染まる。
ネメシアの出力が限界を超え、
XRX-03の目がゆっくりと深紅に変わり始める。
「…レッドポイント……抑えろ……!」
だが、カイの干渉波が容赦なく流れ込む。
レオンの神経ポートが焼けるように熱くなり、
機体の制御が効かなくなる。
XRX-03の装甲が赤く輝き、
粒子が血のように噴出する。
レッドポイントが、強制的に発動した。
ファイブ・ヴォイドも暴走を加速させた。
機体が赤黒く染まり、
邪悪なオーラが広がる。
ツイン・プラズマガンが最大出力で連射し、
レオンの機体を追い詰める。
レオンはレッドポイントの痛みを堪え、
機体を急旋回させた。
ウィングパックが青白い炎を噴射し、
ヴォイド・リーパーが赤く変色。
質量を吸い込む刃がカイの機体に迫る。
「カイ……お前が認められたいなら、
俺たちが認める!
戻ってこい、カイ!」
カイの声が、初めて揺らぐ。
「隊長……俺は……」
ファイブ・ヴォイドの機体が、
加速した。
感覚共有がカイの神経を焼き、
機体がレオンのXRX-03に取り付くように突進する。
「隊長…!」
カイの機体が、レオンの機体に密着。
赤黒い粒子が爆発的に噴出する。
カイが自爆シーケンスが起動した。
レオンは叫んだ。
「カイ!」
爆発が起きた。
二機の機体が炎に包まれ、
ヴォート本社の最上階から墜落していく。
仲間たちは、
その光景を見ていた。
ガイルが拳を握りしめ、
リナが息を飲む。
エコーが静かに呟く。
「……カイ……」
墜落した機体の残骸から、
かすかな通信が漏れる。
カイの声だけが、
途切れ途切れに聞こえた。
「隊長……俺……やったよ」
声はそこで途切れ、
灰色の空に、
静かな沈黙が広がった




