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XRX-03:灰色の咆哮  作者: 装機伊織
第3期
30/65

本社決戦ー崩壊ー

電撃強襲作戦は、予想以上に早く失敗に終わった。


ヴォート本社タワーの外周を突破した瞬間、

ファイブの感覚共有がナイトメアとハウンドの動きを完璧に予測。

レオンの突入は空を切り、エコーのジェネシスはシールドに弾かれ、

ガイルのシールドはエネルギー波に削られ、

リ・スターのランスは幻覚に惑わされた。

連合軍は前哨基地へ後退を余儀なくされ、

ヴォルテックの補給ラインで体制を立て直すしかなかった。


ハンガーで、機体は火花を散らしながら修理中。

レオンは壁に寄りかかり、虚空の痛みを堪えていた。

エコーはファントム・クロノスに乗り込み、

単独でヴォート本社へ向かった。


「俺が行く。

サーバーをハッキングし、感覚共有の制御を奪う。

ファイブの連携を崩せば……勝機はある」


レオンは静かに頷いた。

「生きて帰れ、エコー」


エコーはファントム・クロノスをステルスモードで本社タワーの換気ダクトに潜り込ませ、

最下層のサーバールームに到達した。


部屋は冷たい青白い光に包まれ、無数のサーバーラックが並んでいる。

中央のメインコンソールでは、ファイブの感覚共有システムがリアルタイムで稼働中だった。

波形グラフが脈打ち、

5人のパイロットの神経信号が一本の太い線で繋がれている。


エコーは機体を降り、

手動でコンソールに直接アクセスした。

指が高速でキーボードを叩く。

「クロノス・スタビライザーのアルゴリズムを逆利用……

感覚共有の同期信号を逆流させる」


画面にコードが流れ始める。

エコーの瞳が集中し、

汗が額を伝う。


「同期率92%……85%……70%……」


ファイブの感覚共有が、徐々に乱れ始めた。


ファイブ・アンプ(サラ)のコックピットで、

突然エネルギーが暴走した。

「共有が……切れてる! 私の波が戻ってきてる!」


ファイブ・シールド(トラン)が叫ぶ。

「……分散できない!」


ファイブ・イリュージョン(ミラ)の幻覚フィールドが崩壊。

「視界が……自分の幻覚に飲み込まれてる!

助けて……!」


ファイブ・ヴォイド(カイ)は、

唯一感覚共有に頼らず単独で動いていたが、

他の4人の混乱が自分の神経ポートにフィードバックとして流れ込んでくる。

「くそ……! 何だこのノイズは……!」



「同期率42%……28%……12%……」

エコーの声が震えている

メインサーバーの波形グラフが激しく乱れ、

赤い警告が点滅する。

感覚共有の太い線が、細く細く、ちぎれていく。


ファイブの連携が完全に崩壊した。


前哨基地で待機していた連合軍は、

その隙を逃さなかった。


レオンがXRX-03でウィングパックを全開にし、

空を切り裂いて本社タワーへ急行。

ガイルのアイアン・フォートレスがシールドを構えて突進。

セラのシャドウ・ストライカーが高所からレールライフルを連射。

リ・スターのハウンド・プライムがプラズマ・ランスを振り回し、

ファイブの混乱した機体に一気に襲いかかる。


ファイブ・アンプはエネルギー波をコントロールできず、

自爆寸前で後退。

ファイブ・シールドは攻撃を分散できず、

ガイルのガトリングに耐えきれず膝をつく。

ファイブ・イリュージョンは自分の幻覚に飲み込まれ、

セラの狙撃で頭部を貫かれる。


ナイトメアが一気に反撃に転じた。


しかし、カイだけは違った。


ファイブ・ヴォイドは感覚共有に頼らず、

単独でレオンに挑んだ。

ツイン・プラズマガンが火を噴き、

ウィングパックで急旋回しながらレオンを追い詰める。


レオンはウィングパックで回避し、

ヴォイド・リーパーを振り下ろす。

刃がカイの機体をかすめ、火花が散る。


カイの声が通信に響く。

低く、歪んだ声。


「俺はもう、隊長に認められなくていい。

俺は自分で俺を認めたんだ」


レオンは操縦桿を強く握った。

虚空の痛みが胸を刺すが、

彼はそれを抑え込み、叫んだ。


「カイ……お前は俺たちの仲間だ!」


カイの機体が、レオンの前に立ち塞がる。

ツイン・プラズマガンがチャージを終え、

トドメの一撃を放とうとする。


その瞬間、

レオンは機体を急旋回させ、

ヴォイド・リーパーを振り上げた。


カイの瞳が、一瞬揺れる。


「隊長……」


プラズマ弾が放たれる。

レオンの機体が、

それをギリギリでかわし、

ヴォイド・リーパーがカイの機体に迫る。

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