本社決戦ー突入ー
ヴォート本社タワーは、旧大陸中央の灰色にそびえ立っていた。
高さ300メートルを超えるガラスと鋼鉄の塔。
表面にネオンで「Voice Of The Era」が輝き、
表向きは広告の象徴だが、
今は戦場と化していた。
ナイトメアとハウンドの連合軍は、
ヴォルテック・ウィングパックを背負った機体で、
同時多発攻撃を開始した。
レオンとエコーが正面から突入。
ガイルとセラが地下ルートから迂回。
リ・スター率いるハウンドが外周を制圧し、
ヴォートの防衛ドローンを次々と撃墜していく。
レオンはXRX-03でウィングパックを展開。
青白い粒子炎を噴射し、
音速でタワー正面へ突っ込んだ。
ヴォイド・リーパーが展開し、
玄関ゲートを切り裂く。
「突入!」
エコーのファントム・クロノスが上空からジェネシスを放ち、
タワーの防衛砲台を一掃。
翼が紫の軌跡を残し、
重力制御で敵の対空砲を回避する。
ファイブの迎撃が始まった。
4機が、
タワー中層から一斉に飛び立った。
ネオンカラーの機体が、
感覚共有の波を広げながら、連合軍を包囲する。
空中戦が始まった。
ファイブ・アンプ(サラ)がエネルギー波を増幅し、
ファイブ・シールド(トラン)が痛みを分散。
ファイブ・イリュージョン(ミラ)の幻覚が視界を歪め、
ファイブ・ヴォイド(カイ)が神経データを吸い取ろうと迫る。
レオンはウィングパックで急上昇し、
ヴォイド・リーパーを振り下ろす。
だが、ファイブの連携が完璧すぎる。
サラの波がレオンの動きを予測し、
トランのシールドが刃を弾く。
ミラの幻覚で視界が一瞬歪み、
カイが神経ポートを狙う。
レオンは歯を食いしばった。
「予測……またか!」
エコーが上空から通信を送る。
「感覚共有の中枢はカイの機体だ。
あいつを狙え!
共有を崩せば、連携が乱れる!」
レオンは頷き、
ウィングパックを全開にした。
XRX-03が急加速し、
ファイブの包囲網を突破。
ヴォイド・リーパーがカイの機体に向かって振り下ろされる。
カイのファイブ・ヴォイドが、
ゆっくりとレオンの前に立ち塞がった。
カイは通信を開いた。
マスクは外し、
カイの顔が露わになる。
瞳は赤く輝き、
かつての熱血漢の面影は、
冷たい支配欲に塗りつぶされていた。
声は低く、歪んでいる。
「隊長……見てくれ。
俺はもう、違う」
レオンは息を飲んだ。
「カイ……!」
ファイブ・ヴォイドのツイン・プラズマガンが火を噴く。
レオンはウィングパックで回避し、
ヴォイド・リーパーで反撃する。
レオンは機体を旋回させ、
カイの攻撃を辛うじてかわした。
虚空の痛みが胸を刺すが、
それを抑え込み、
静かに言った。
「カイ……お前は、まだ俺たちの仲間だ」
カイの瞳が一瞬揺れる。
だが、次の瞬間、
冷たい笑みに変わった。
「仲間?
もう、いらない。
俺は……認められたんだ。
ヴォートで。
お前たちに、必要とされた」
ファイブの連携が再び強まる。
レオンたちは空中戦で苦戦し、
徐々に押され始める。
エコーが通信で叫ぶ。
「レオン! 撤退だ!
このままじゃ、全滅する!」
レオンは操縦桿を握りしめ、
カイを睨んだ。
「カイ……次は、俺たちがお前を取り戻す」
ウィングパックを逆噴射し、
連合軍は一時撤退。
ヴォート本社の塔が、
灰色の空にそびえ立つ。
カイはファイブ・ヴォイドで静かに浮遊し、
レオンの機体を見送った。
通信で、独り言のように呟く。
「隊長……
次は、俺が勝つ。
お前たちを、俺の家族にする」
戦いは、まだ終わっていない。




