決意の夜明け
ヴォルテック拠点の地下ハンガーは、夜通し火花を散らしていた。
ランガの単独襲撃から逃れて数日。
ナイトメアの機体は、ヴォルテックの技術者とハウンドの整備班によって、
ほぼ完全な状態に回復していた。
XRX-03のヴォイド・リーパーは新冷却回路を搭載し、
ファントム・クロノスの翼は強化され、
アイアン・フォートレスとシャドウ・ストライカーも最新のヴォルテック・ウィングパックを背負っている。
全機が短時間飛行可能になった今、
ナイトメアは空を飛ぶ悪夢へと進化していた。
ブリーフィングテーブルに、皆が集まっていた。
レオンは中央に立ち、
ヴォート本社のホログラム地図を展開した。
エコーがデータを共有し、
リ・スターが熱く拳を握っている。
エコーが静かに説明を始めた。
「ヴォート本社は旧大陸中央の巨大タワー。
地上50階、地下10階。
ファイブは最上階に常駐。
感覚共有の中枢はランガの機体だが、
今はカイが中枢を握っている可能性が高い」
レオンは地図を指でなぞった。
「突入ルートは3つ。
俺とエコーで正面突破。
ガイルとセラで地下から迂回。
リ・スター、ハウンドで外周を抑えてくれ」
リ・スターが拳を突き上げた。
「了解!
俺たちハウンドが、ヴォートのドローンを全部叩き潰す!
カイを……絶対に取り戻すぜ!」
ガイルがウィングパックを叩きながら笑う。
「空飛ぶ要塞の出番だな!
ヴォートの広告塔、ぶっ壊してやる!」
リナがデータパッドを操作しながら言った。
「ヴォートのセキュリティは感覚共有で強化されてる。
予測攻撃を避けるには、予測を超えるしかない。
ウィングパックで空から奇襲を」
セラが静かに頷く。
「……狙撃は、空から。
カイの機体を、確実に」
レオンは皆を見回した。
虚空の痛みが胸を刺すが、
今は痛みより、仲間への決意が強かった。
「……カイは、俺たちの仲間だ。
ヴォートに洗脳されたとしても、
俺たちはお前を取り戻す。
殺す覚悟も、持つ。
だが……生きて帰る」
エコーが静かに言った。
「影として、俺は支える。
カイの感覚共有を崩すのは、俺の役目だ」
リ・スターが熱く叫んだ。
「よっしゃ!
ナイトメアとハウンドの連合で、
ヴォートをぶっ潰す!
カイを……連れ戻すぜ!」
ハンガーの照明が、赤と青に強く輝いた。
機体たちが一斉に起動し、
ヴォルテック・ウィングパックが低く唸りを上げる。
レオンはXRX-03に乗り込み、
コックピットで静かに呟いた。
「……カイ。
待ってろ。
俺たちは、お前を連れ戻す」
輸送機が離陸。
灰色の空を切り裂き、
ヴォート本社へ向かう。
決戦の夜明けが、
静かに訪れていた




