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XRX-03:灰色の咆哮  作者: 装機伊織
第3期
26/65

泥の人形の王

ヴォート本社最上階、役員会議室。


白い壁とガラス張りの窓から、灰色の旧大陸の景色が広がっていた。

長テーブルに並ぶのは、ヴォートの重役たち。

全員がスーツ姿で、表情は硬い。

会議室の空気は重く淀んでいた。

中央の席には、ランガの椅子が空いたままだった。


部屋の扉が開き、

カイが入ってきた。


ファイブ・ヴォイドのパイロットスーツを着たまま

カイはランガの席に腰を下ろし、

ゆっくりと脚を組んだ。

ファイブ・ヴォイドのマスクは外しており、

瞳は赤く輝き歪んだ笑みを浮かべた顔が露わになっている。

手に握っているのは、ランガの血で汚れた拳銃。


重役の一人が立ち上がった。

「ヴォイド……いや、カイ。

ランガは?」


カイはゆっくりとテーブルに近づき、

空いた椅子に腰を下ろした。

拳銃をテーブルに置き、

静かに言った。


「ランガは死んだ。

俺が殺した」


部屋が凍りついた。


もう一人の重役が声を震わせる。

「何を……! お前はファイブのNo.5だ。

ランガを殺す権限など――」


カイは拳銃を手に取り、

その重役の額に銃口を向けた。


「権限?

俺はもう、権限なんか必要ない。

ヴォートは俺のものだ」


パンッ!と乾いた音が響いた。


重役の頭が後ろに吹き飛び、

血が白い壁に飛び散る。

他の役員たちが息を飲む中、

カイはゆっくり立ち上がった。


「反対する人間は、全員、ナイトメアと同様、泥の人形」


一人の若い役員が、恐怖に駆られて立ち上がった。

「待ってくれ……俺は賛成だ!」


カイは微笑んだ。

だが、その目は笑っていなかった。


パンッ! パンッ! パンッ!


銃声が連続して響く。

反対意見を述べた者、

中立を装った者、

怯えて目を逸らした者……

すべてが床に倒れた。

会議室は血の海と化した。


残ったのは、完全に沈黙した役員たちだけ。

カイは拳銃をテーブルに置き、

ゆっくりと椅子に座り直した。


残った役員たちは、震えながら手を挙げた。

「賛成……! カイを……CEOに!」


カイは笑った。

残忍で、自己中心的で、

完全に壊れた笑み。


「いい子だ。

みんな、俺の家族だ。

ヴォートは、これから俺が強くする。」


彼は通信端末を手に取り、

回線を開いた。

画面に映るのは、レオン。


カイの声が、冷たく響く。


「隊長……久しぶりだな。

俺はカイだ。

ファイブのリーダーになった。

ヴォートのCEOも兼任する。

……お前たちの悪夢は、もう終わりだ。

宣戦布告だ。

次に会う時は、泥の人形として殺してやる」


レオンは画面越しに、カイの赤い瞳を見た。

息を飲む。


カイは笑ったまま、通信を切った。


会議室に、血の匂いが充満する。

カイは拳銃をテーブルに置き、

窓の外の灰色の空を見上げた。


「……」


ヴォートの闇は、

完全にカイのものになった。

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