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XRX-03:灰色の咆哮  作者: 装機伊織
第3期
25/65

裏切り

ヴォート本社から遠く離れた廃墟区画の上空。


ファイブ・プライムは、単独で灰色の空を切り裂いていた。


ランガはコックピット内で静かに息を吐いた。

ナイトメアの基地襲撃は失敗に終わった。

レッドポイントの暴走は予測外で、

レオンの機体が予想以上に脅威だった。

だが、それ以上に、ランガの胸に残るのは苛立ちだった。


「悪夢……め。

まだ、俺たちの『商品』になっていないとはな…」


ファイブ・プライムの神経干渉アンテナが、微かに光る。


ヴォイドの機体が、突然目の前に現れる。


ランガの通信に、ヴォイドの声が響く。

低く、歪んだ声。


「ランガ……お前、失敗したようだな」


ランガの眉がわずかに動く。

「ヴォイド?

何の用だ。

今は報告に戻る途中だ」


ヴォイドの機体が、ファイブ・プライムの背後に回り込む。

ツイン・プラズマガンが、ゆっくりとランガの機体に向けられる。


「お前を……殺す」


ランガの目が細くなる。

「何を……!!」


ヴォイドの機体が急加速。

プラズマガンが火を噴き、

ファイブ・プライムの背部を直撃。

装甲が溶け、火花が散る。


ランガが叫ぶ。

「ヴォイド! 何のつもりだ!」


ヴォイドの声が、冷たく響く。

「お前は……俺を『特別』って言ったな。

ヴォートは俺を『家族』って言った。

だが……お前たちは、嘘つきだ。俺をただの道具ように使った」


ファイブ・プライムが旋回し、反撃を試みる。

神経干渉アンテナが展開し、ヴォイドの感覚を共有しようとする。

だが、ヴォイドの機体はすでに予測を超えていた。


「感覚共有か……もう、遅い」


ヴォイドの機体が、ファイブ・プライムの死角に回り込み、

プラズマガンを至近距離で連射。

ファイブ・プライムの胸部が爆発し、

ランガのコックピットが火花を散らす。


ランガは歯を食いしばり、

緊急脱出を試みる。

だが、ヴォイドの機体がそれを許さない。


「ランガ……お前は、俺を『泥の人形』にした。

お前はそこで死んでくれ…」


プラズマ弾がファイブ・プライムのコアを貫く。

機体が爆発し、

ランガの脱出ポッドが灰色の空に放り出される。


ヴォイドの機体は、静かに浮遊した。

コックピット内で、カイの瞳が赤く輝く。


「……レオン」


廃墟の海に、

ファイブ・プライムの残骸が落ちていく。

ヴォートの本社は、

すでに次の「商品」を求め始めていた。


一方、ナイトメアの拠点では、

レオンが虚空の痛みを堪えながら、

次の作戦を練っていた。


エコーが静かに言った。

「ランガが……単独で来るはずがない。

ヴォートは、まだ何か隠してる」


レオンはゆっくり頷いた。


ハンガーの照明が、赤と青に強く揺れた。

ヴォートの闇は、

さらに深く、広がっていた

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