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XRX-03:灰色の咆哮  作者: 装機伊織
第3期
24/65

ヴォルテック拠点の地下ハンガーは、ナイトメアの機体で埋め尽くされていた。


ランガの単独襲撃から逃れた輸送機が到着して数時間。

リ・スターとハウンドの整備班が総出で動き回り、

ボロボロの機体をドックに固定している。

ガイルはヴォルテックの技術者と肩を並べて、

XRX-03の損傷箇所をチェックしていた。


レオンは壁に寄りかかり、虚空の痛みを堪えながら、

仲間たちを見守っていた。

左腕の神経ポートが熱く疼き、

視界の端が赤く滲む。

レッドポイントの代償は、予想以上に深かった。


リ・スターが熱く声を上げた。

「レオン! ヴォルテックが全面協力してくれるみたいだ!

新型バックパックを貸し出すってよ!

粒子加速+短時間飛行ユニットだ。

これで空を飛べるようになるぜ!」


ヴォルテックの技術者が、

巨大なバックパックユニットを運び込んでくる。

黒と赤のカラーリングで、

背部に4基の小型ブースターが並ぶ。

「ヴォルテック最新の『ヴォルテック・ウィングパック』です。

粒子合成炉と連動して、短時間、最大5分程度なら飛行可能。

機動性が約3倍近く上がります」


ガイルが目を輝かせて取り付ける。

「これをXRX-03に……!

ネメシアの出力と組み合わせれば、

本物の飛行機みたいになるぜ!」


エコーがファントム・クロノスを横目に言った。

「俺のクロノスと似てるな。

さすがヴォルテックの技術だ、安定性が高いだろう」


リナがデータパッドで確認しながら言った。

「装着時間は30分ね。

他の機体にも取り付け可能。

これでファイブの予測攻撃にも対応できるわ」


セラが静かに頷く。

「……空から、狙える」


整備班がXRX-03の背部にウィングパックを固定。

接続が完了し、

ブースターが低く唸りを上げた。

レオンはコックピットに乗り込み、

テスト起動をかける。


ネメシアが粒子を噴射し、

ウィングパックが青白い炎を吐く。

XRX-03がゆっくり浮上。

5メートル、10メートル……

機体はハンガーの天井近くまで上昇し、

短時間ながら、自由に旋回した。


レオンはコックピット内で小さく笑った。

「飛べる……

これなら、ファイブの予測も、超えられる」


着地後、レオンはハッチを開け、

皆を見回した。

虚空の痛みがまだ残るが、

今は仲間たちの視線が、胸を温かくした。


リ・スターが拳を突き上げた。

「隊長! これでヴォートをぶっ潰せるぜ!

ハウンドとナイトメアの連合で、

ファイブもランガも、全部倒す!」


ガイルが笑いながら言った。

「ウィングパック、俺のアイアン・フォートレスにもつけろよ!

空飛ぶ要塞だぜ!」


エコーが静かに言った。

「ヴォートの感覚共有は、予測が命だ。

だが、空から予測を超えれば……勝機はある」


レオンは皆に視線を向けた。

カイの席はまだ空いている。

誰も座らないまま、そこにある。


「……カイ。

お前が戻るまで……俺たちは飛ぶ。

悪夢の翼で、ヴォートを終わらせる」


ハンガーの照明が、赤と青に強く輝いた。

XRX-03の背部に取り付けられたウィングパックが、

静かに粒子を噴射し、

新たな戦いの準備を告げていた

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