最終話「別れと出会い」
「え…!?なんて言った?」
「だーかーら、俺は今年でF1を降りるの。お前がチームチャンピオンを獲ってくれたからな。満足したよ。もう、後は家族との時間を大事にするよ。」
「え、まず、アンドリュー家族いたの?」
「いるさ、嫁さんと娘と、猫がね。」
「あ、そういえば、あのマクラーレンと話してるってやつは…」
「あぁ…やっっべ。断る電話まだしてねぇ。」
「もう今しなよ。なんなら、今ピット行ってくれば?」
「あ、確かに。」
そう言い、2人でマクラーレンのピットに向かい、アンドリューは引退する旨を伝えた。
相手も驚いていたようだが、すぐに受け入れ、ハグを交わしていた。
「お前は来年はどうするんだ?別のチーム行くのか?」
「いや〜、正直3つのチームからオファー来てるんだけどねぇ…」
「なんだ、何かあるのか?」
「いや〜、実は来年も俺はStorm F1に残ろうって思っているんだ。」
「それはどうして?」
「もちろん、来年もチャンピオンを獲りたいっていうのもあるし、来年から噂だと、日本人がもう1人このチームからデビューするらしいからね。その選手の育成も兼ねてさ。」
「そうなのか。じゃあ、来年の活躍も楽しみにしているよ。」
「おう!」
2人は固く握手した。
1週間後。
アブダビでの公式テストを終え、イギリスに向かった後、日本に飛んだ。
VERTEX Corporationの社長室。
「いやぁ~、松下、F1チャンピオンおめでとう!」
「ありがとうございます!まさかここまで来れるとは思いませんでした。」
「実はな、結構前に話した例のプロジェクトについて話したくてな。」
「はい。」
「まぁ、今まで隠してきたのはな、F1に関するプロジェクトなんだ。」
「F1?」
「あぁ、我々VERTEX Corporationは、Storm F1 teamとコラボして、我々が育成してきた選手をF1に参戦させることにしたんだ!」
「おぉ!Storm F1ですか!」
「そして、パワーユニットの開発、空力などの技術開発も我々が行うことに決まった。」
「そこまで挑戦するんですか!?」
「私たちVERTEX Corporationは試作車の設計、試作品の作成などの業務が主な会社だからね。技術分野での進化を目指してね。」
「じゃあ、ドライバーも紹介しようかな。」
「誰なんだろう?」
「入ってきてくれ!」
ドアが開き、入ってきたのは1人の女性だった。
「田邊飛花です。」
その名前を聞いた瞬間、驚いた。




