エピローグ
今年のF1が終わる。
俺は、いや、俺達は怒涛の1年を戦ってきた。
チームメイトとの衝突、恩人の死、コンストラクターズタイトル。
F1初年度にいきなり世界の頂点を取れるとは。
ただ、この結果には満足しないようにする。
もちろん、来年も2度目のコンストラクターズタイトルを狙いに行く。
そして、ドライバーズタイトルもだ。
来年からは噂の新人、田邊飛花がデビューする。
彼女はF1でどんな走りを見せるのか。
来年のF1が楽しみだ。
最終戦が終わった後、自分はイギリスに飛んだ。
…そう。ノアに花を手向けにいくのだ。
イギリス、シルバーストン・サーキット。
ここで開催されたF2レースで彼は命を落とした。
第13コーナーに向かう。
すると、すでにたくさんの花が手向けられていた。
「…あいつ、愛されていたんだな。」
自分も花を手向け、手を合わせる。
その時、どこからか、エンジン音が聞こえてきた。
F2マシンのものだ。
しかも、その音がノアのアクセルワークにそっくりだった。
「…ノ、ノア…!?」
合わせていた手をほどき、目を開ける。
しかし、そんなマシンはどこにも見当たらなかった。
「…フフッ。ノアらしいな。」
その時、曇り空の切れ間から青空が見えた。
「あの切れ間から俺のこと見てんのかな。」
俺は空に親指を突き立てた。
そして、シルバーストン・サーキットを後にした。
VERTEX FINAL 完




