第22話「離脱」
レースも中盤から終盤戦へと移っていく。
その時だった。
2位を走行していた松下の目の前で白煙が上がる。
「誰か!誰かエンジン壊れた!」
『確認している……分かった、フェラーリのオリビアだ、オリビアがブローだ。』
「セーフティーカー出る可能性は?」
『停止位置によるな…お前が走っているあたりでの停止だったらもしかしたらセーフティーカーは出動しないかもしれない。』
「了解」
これにより、フェラーリのタイトル獲得は絶望的なものになった。
このままで勝つには永野が首位、かつ、Storm F1の2人が下位に沈まなければならない。
しかし、状況は逆だ。
松下が首位、アンドリューが2位、永野は今9位となっている。
「おい!ストーム!マシンが何かおかしい!」
『待ってくれ、今こちらにもデータに異変が出ている。』
アンドリューに何か起きているようだ。
『今分かった、ギアボックスだ、ギアボックスにトラブルだ。』
「あぁ〜、まじか!」
『もうダメだ!アンドリュー、マシンを止めるんだ!このまま行っても走りきれない!』
「くっそ…仕方ないな。分かった。」
アンドリューはアクセルを抜き、減速していく。
「……悔しいな。あいつのすぐ後ろでフィニッシュしたかった。」
「それはそれとして…」
「くっそぉ!悔しすぎるー!」
ステアリングを叩き、悔しがっていた。
『聞こえるか?松下?』
「聞こえる、どうした?」
『アンドリューがギアボックストラブルでリタイアになった、あとはお前だけだ!頼んだぞ!』
「アンドリューリタイア、了解」
『残りはお前に託す。頼んだ。』
「…了解」
駿との差を稼ぐためにさらに加速していく。




