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VERTEX FINAL  作者: 銀乃矢
21/27

第21話「スタートダッシュ」

ついに今シーズンの最終戦が始まる。


長かったレースも今日で終わり。


昨年最下位を走り続けてきたStorm F1チームが今日、最前列からレースを始める。


「今日のレースは俺が松下を守るってことで平気か?」

「あぁ、俺が全力でチャンピオンを取りに行く。だから、守ってくれると嬉しい。」

「じゃあ、頼んだぞ。」

「おう。」



お互い、マシンの方へと戻っていった。




「…よし、見ていてくれ。ノア。」

ステアリングに貼った写真を見る。



そして、マシンの前方に回る。

「…頼むぞ。」

ノーズコーンを触り、祈る。



『無線チェック、無線チェック。』

「しっかり、はっきり聞こえます。」

『今日の目標はお前達がチャンピオンを獲得することだ。チームオーダーは発令しない。』

「了解」





ミラーを見ると、自分のすぐ後ろに真っ赤なマシンが1台。

「…永野。今日だけはお前には譲れない。」



さぁ、最終戦の幕が上がる。


全車、一斉に地面を蹴り出す。


まとまって1コーナーへ。


スタートダッシュを決めた松下は首位のまま。

2位にアンドリューが上がる。3位には永野。



「このまま後は抑えきれれば…」

松下は加速していく。








「くっ。フェラーリにメルセデスまで…ビッグ3チームを相手にすることになるなんてな。ちょっと前までは向こう側にいたのに。」

「まぁ、この状況も楽しいな。松下のチャンピオンのためにも、守りきってみせる。」





23周目、ピットインする選手が出始める。

『松下、この周、お前を入れる。装着するのはミディアムタイヤだ。』

「了解、了解」




『アンドリュー、お前は3周後ピットインだ。次はソフトタイヤを履くぞ。それで最後にまたハードタイヤに履き替える。大丈夫か?』

「了解、それでいこう」



この戦略で、松下がピットに入り、下位に沈む。

そしたらアンドリューが集団を抑え込み松下が追いつくまでの時間を稼ぐ。

そして、再び集団のトップに松下が行く、という作戦だ。



この作戦により、レースのほとんどをStorm F1チームが支配していた。





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