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VERTEX FINAL  作者: 銀乃矢
20/27

第19話「圧」

最終戦の舞台、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットに到着する。


F1の最終戦といえばここ!というイメージが完全に自分の中では染み付いている。

そして、ここでの明日のレース次第でStorm F1がチャンピオンを獲得できるか決まる。



「うえっぷ…ぎぼぢわるい…」

松下の顔は青ざめきっていた。

「おいおいおいおい、大丈夫か?真っ青だぞ?水飲むか?それとも袋か?」

「ふ…ふぐろをだどぶ…」


袋を受け取ると、すぐそこの物陰に逃げ込む。


そこにはお見せできない光景が広がっていた。

「あぁ…すっぎりじだぁ…」

「なんかまだダメそうだが?どうした?」

「なんか、ワールドチャンピオン意識しだしたら緊張が止まらなくて。」

「お前、意外とプレッシャーに弱いんだな。」


「いや…今日ホテルでパスタ大盛りで2回おかわりしたのが悪かったかも…」

「プレッシャーかかる日に何そんな食ってんだ。」


「まぁいい。このあとの予選は大丈夫そうか?」

「それはもちろん!今、ゲ◯も吐いてすっきりしたし!」

「じゃあ、問題ないな。」




予選が始まる。

『いいぞ!松下!今2位だ!1位はアンドリュー、タイム差は0.3秒だ!詰められない差ではないぞ!』

「分かった」


しかし、予選、こんなに走りにくかっただろうか。

なんだか、何かに圧迫され続けている。

しっかりとステアリングを切れない。

アクセルも踏み込めない。


全体的に何か…何か…

『松下、アンドリューが、お前緊張してるだろ?引きずることは一番だめじゃなかったのか?パスタ野郎、だとよ。』

「…!そうだ。ワールドチャンピオンを獲得する、これがずっと自分の頭の中に残り続けていたんだ。よぉし、スッキリしたぁ!行くぜ!あでも、パスタ野郎は余計だな」


プレッシャーから解放された彼は誰にも手が付けられない状態になっていた。

気づけばアンドリューを逆転、それどころかコースレコードまで更新していた。



『よし!お疲れ様、P1、P1だ。明日のレース1位からスタートできるぞ。』

「よし!よし!良いぞ!」



ピットに戻ってくるとみんなが出迎えてくれる。


そして、アンドリューに声をかける。

「アンドリュー、さっきはありがとうな。あの言葉で緊張ほぐれたわ。でも、いくらパスタ食ってたからってパスタ野郎はなくねぇか?」

「アッハハハ、あれ、結構気に入ってるんだぜ。最高だろ?まぁ、おめでとう。」

「ありがとよ。」




予選結果

20号車 松下 1位

54号車 アンドリュー 3位


明日のレース。これですべてが決まる。

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