第18話「新造」
決起大会後のメキシコグランプリ。
ここでは和解した2人の真の力が発揮された。
アンドリューが先行し、それを松下が追う展開。
途中アンドリューがピットに入ると、今度はアンドリューがトップ集団に追いつけるように松下が集団の先頭でペースを調整し、追いつかせるなど、お互いが確実にポイントを獲得できる状況を作り上げた。
そして、結果、アンドリューは去年のアメリカグランプリ以来の優勝、松下も2位と、Storm F1は奮闘した。
そして、この結果、チームランキングも5位。ここから残りのレースすべてで表彰台に上がれる結果を残せれば彼らがチャンピオン獲得できる可能性も出てきた。
そして、チームも、彼らがチャンピオンを獲得できるように努力は惜しまなかった。
「「新造シャシーに、新造エアロに、新造モノコック?」」
「あぁ、残り3レース、このままでいればマシン性能的に苦戦は確実だ。だから、ファクトリーが総力を上げて新造マシンを作り上げた。」
「名付けて、ST-02Bだ!」
「なんか…」
「まんまなネーミングだな…」
「おいおい、そんな反応薄いとは思わんて。」
「まぁ?新しいのに乗れるのは楽しみだな。」
「そうだね。」
彼らの絆も気づけば深まっていた。
「まぁ、次のカタールでマシンが変わるから、練習走行、予選でフィーリングを掴んでくれ。」
「…了解。」
「はーい」
カタール、ロサイル・インターナショナル・サーキット。
「うーん、なんだろう、すごい暑いのやめてもらっていいですか?」
「どうした、松下、ひ◯ゆきが出てるぞ。」
「なんであんたにわかるんだよ、このネタ」
「だって、あの人、テレビだって出てる時あるだろ?それで覚えた。」
「それで、マシンはどうだ?松下。」
「むずいよねぇ。ブレーキはオーバーヒート気味だし、タイヤの熱ダレもすごいし。」
熱ダレとは、高温な路面温度により、タイヤが急激に劣化すること。
「うーん、じゃあ、俺のセッティングデータ、使うか?」
「いいの?」
「あぁ、もう、あの時みたいな壁はない。」
「じゃあ、お言葉に甘えて…」
セッティングは大成功、そのまま予選でもトップタイムを獲得。
決勝レースでも、松下がレースのほとんどをリード。
それを守っていたのがアンドリューだった。
そして、そんな2人を猛追していたのがフェラーリのオリビア・マックスと永野駿だった。
優勝は松下大輝、2位アンドリュー・マックス、3位永野駿。
2人がチームにもたらした大量ポイントは彼らをランキング2位に押し上げた。
1位のフェラーリまであと18ポイント。
1位 フェラーリ 632ポイント
2位 Storm F1 614ポイント
激闘のシーズンはいよいよ、最終戦へ。




