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VERTEX FINAL  作者: 銀乃矢
16/27

第15話「再会」

ドライバー共用のロッカールームに向かう。


すると、ベンチに座り込む人がいた。


「駿、ここにいたんだな。」

「…あぁ…予選も終わったからな…」


彼の声は弱々しかった。


「ちょっと、こっち向いてくれるか。」

「…?」不思議そうに顔を上げる。


ペチン。

乾いた音が聞こえる、


「どうだ?目ぇ、覚めたか?」

「……でも、やっぱり…」

「でももへったくれもねぇよ。レーサーには引きずることが一番いらねぇんだ。とある人の言葉だがな。」


「…明日のレースは辞退するよ。このまま走っても、多分まともに走れない。」


「そうか。じゃあ、本当に明日こそはお前の分まで勝ってきてやる。」

「…あぁ。」


ロッカールームを後にする。


「…駿、明日のレース辞めるのか。」



その後、その日の夜のうちに駿が明日のレースを辞退することをチームが発表した。





翌日、スタート準備を進めていた。


「松下、それ何だ?」

代表が彼が手に握りしめたものについて尋ねる。

「これは、ノアの母国の国旗ですよ。フランスの。」


「今日、レース終わったら掲げようって。俺も彼に救われましたからね。」

「そうか。確かにお前と仲良かったもんな。」

「もう、昨日のメールも読むのが辛かったです。でも、受け入れないと前には進めない。代表も言ってたじゃないすか。」

「…そうだな。まあ、今日のレースも期待してるよ。ただ、アンドリューにだけは注意しろよ。今日もお前のすぐ後ろからスタートだ。」

「…了解。」


国旗を握りしめ、マシンに乗り込む。


『おし、フォーメーションラップスタート。前に続け。』


グリッドを離れ、1周、走る。



昨日のノアの事故現場を通る。

…ノア、見ていてくれ。

そう祈り、通過する。



『全車グリッドについた。スタートするぞ。』



5つすべてのレッドシグナルが灯り、消える。

イギリスでのF1グランプリが開幕した。


スタートダッシュを決め、いきなり表彰台が狙える3位になる。

しかし、自分のレースが終わるのは早かった。


第9コーナーに差し掛かる。

「またアンドリューが近い。でも、今回こそはぁっ!?」


突然衝撃が来る。

そして、マシンは勢いよく回転する。



減速のための行動をしたが、無駄だった。


その勢いのまま、タイヤバリアに激突した。

その時の速度はゆうに280km/hは超えていた。



激突した瞬間、自分の意識は途切れた。


次に目が覚めた時いたのはどこかのピットガレージの中。


そこには自分が乗っているカーナンバー20をつけたST-02と、ART GPのカラーリングのF2マシンが整備されていた。

「ん?あれ…ここは…俺はさっき事故って…」

「やぁ、マツシタ。久しぶりだな。」

「ノア?!どうしてここに?!」


「どうしてって、君がこっちに来ようとしているからさ。」

「?」

「マツシタはさっき、タイヤバリアに激突したんだ。それで君は今意識がないってこと。」

「じゃあ、なんで俺は今こうして喋れてる?」

「本当に理解力がないね、マツシタ。」


「君は今、死と生の間にいるんだ。もし、このまま僕についてくれば君は死ぬってこと。でも、君はどうしたい?」

「そりゃあ、もっとF1に乗りたい。」

「正直だ。じゃあ、またいつか会おう。」


そうして、ノアに突き飛ばされる。


目が覚めると、そこは病院だった。

そして、自分は泣いていたみたいだ。


隣を見ると、大号泣した駿がいた。

「よがっだぁ…よがっだぁ…」

「おいおい、どうした?駿、とりあえず鼻水かめ」

ティッシュを手渡す。


「本当にすまなかった。アンドリューの位置を伝えなかった俺が悪い。本当にすまなかった。」

ストーム代表は勢いよく頭を下げる。

「いや、俺もミラーをしっかり見ずにあのコーナーに進入したのが悪かった。」


「そういえば、アンドリューは?」

「あいつは今、FIAからお前との接触について聴取を受けている。」




その後、2週間の検査入院をし、退院した。


しかし、彼らの衝突は止まらない。


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