第10話「表彰台」
日本グランプリはファイナルラップに突入する。
『ファイナルラップ、ファイナルラップ、そのままで表彰台狙えるぞ。』
「分かってる」
1位のマシンも捉えられる距離にはいる。
しかし、ここで攻めてしまうと、燃料が足りなくなる。
そうなってしまえばせっかくの表彰台を逃すことになる。
そのため、堅実にマシンをゴールに持っていくことに切り替えた。
そして、シケインを駆け抜ける。
フィニッシュラインを越える。
『よし!よし!2位!2位だ!コバヤシの3位を越えたぞ!』
「イエス!イエス!カモン!」
ピットに戻ってくると、チームのメンバーたちがお祝いしてくれる。
表彰式が始まる。
トロフィーを受け取り、高く掲げる。
今まで聞いたことのない大歓声が上がる。
母国ということもあって大盛り上がりだ。
トロフィーを置くと、隣の優勝した選手に声をかけられた。
「あなたが噂の新人かしら?」
「あ、うん。そうだけど、何か?」
「あ、自己紹介がまだだったわね。私はオリビア・マックス。」
「…あぁ、あなたがフェラーリでチャンピオンをとった…ん?マックス?」
「あら、気付いた?実は私、あなたのチームメイトのアンドリューの妹なの。」
「え、兄妹で出ているの?」
「えぇ、よく驚かれるわ。」
こりゃたまげた、兄妹でF1なんて…
「元々は兄妹でフェラーリから出ていたの。」
「同じチームから?!」
F1で初めて表彰台に上がれたことだけでも嬉しいのに、まさか、アンドリューの過去まで聞くことになるなんて。しかも、妹から。
「まぁ、次のグランプリも頑張りましょ。」
「えぇ、そうだね。」




