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承諾
「君にYouTubeに出てほしい」
私は迷って答えあぐねる。その様子を見て彼は察したのか、
「顔は出さなくても良いよ」
と近くの屋台の仮面を取り上げて私の顔に被せる。
ひょっとこの仮面。
可笑しくて、一瞬吹き出す。
――顔が出ないのなら良いかも――
少なくとも彼の役には立つし、自分の記念になるかもしれない。後から振り返って、あの時あんなことがあったなあという思い出になる。
「じゃあ、出ても良いです」
「本当?嬉しい」
彼は凄く喜んでくれる。
「君なら絶対アクセス数増える。断言する」
――そうかしら?そんなに私に魅力があるとは思えないんだけど――
半分お世辞も含まれていると思うけれど、彼の喜ぶ姿を見て悪い気はしなかった。
周囲はだんだん暗くなり、時刻は夕方近くになる。
「明日、予定ある?」
バイト以外は特にないと答える。
「明日撮影しよう。後でまた連絡するね」
私達はそれで別れる。私は手を振り、駅方向に歩いていく彼の後ろ姿を見送った。
その日の夜、彼からSNSのチャットで連絡があり、明日早速YouTubeの撮影を行いたいと書いてある。場所は駅前のカラオケルーム。一人で行く勇気が無かったので、涼くんに付いてきて欲しいと頼むと、良いよと言ってくれる。
“知り合いの人も一緒に行きます”
私は条件付きでOKの返信を返す。




