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夕食後

夕食後は、地下の浴場前の小さなゲームコーナーでクレーンゲームをしたりエアホッケーをしたりする。楽しい時間はあっという間に過ぎ、気付くと夜遅くになっている。部屋に戻り扉の前で、

「じゃあ、また明日」

と別れる。

部屋に入っても馬渡さんのことを考えてしまう。彼がYouTubeに一生懸命なのは妹の入院費がかかっているから。同情すると同時に応援したい。もっと彼の力になってあげたい。

私にできることはYouTubeの動画を少しでも多くの人に興味を持ってもらえるようにすることしかない。

馬渡さんのことをいろいろ考えていると、スマホが鳴る。馬渡さんからだ。うれしくなって急いで出る。

「はい」

「明日のことなんだけど」

今日はずっと一緒だったのに明日の待ち合わせの時間という肝心な話を忘れていた。石下神社への経路から逆算してに出発時間を決める。それから石下神社が私に会いたいと言った理由について。

「多分、観光アピールに協力してほしいとか、そういう話じゃないかなあ?町おこしにYouTuberが協力するってよくあるから」

私もそんな感じがしている。

彼は明日も電車での移動過程や、観光地で私を動画に取るつもりだと言う。私の撮影は顔を写さないように気を付けてくれる。

「明日も、ぜひお願いします」

私は積極的に答える。

「神社との面会後、飛鳥地方に行こうと思うんだけど、どう?」

「行きたいです」

確か飛鳥という時代を日本史の授業で習った気がする。その頃の中心地かな、だったらいろいろ遺跡が残っているかも、などと考えながらYouTube映りの良い場所があれば再生回数が増えるだろう。

一通り計画を話し終える。もう話題はないけれど、もう少し話していたい。彼も通話を切らない。

「明日が楽しみだね」

そう言う彼の声に

「私も。早く明日になってほしい」

と答える。

それからお互いにお休みを言って通話を切った。


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