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家 / 落ちぶれ貴族の小さな希望
【家】
「あ、雨!」
「雨だー!」
駆け出す子らを私は見やる。
随分と大きくなったものだ。きゃっきゃと大地の恵みを浴びて、元気なことよ。
私も動ければよかったのだが、濡れて帰るかの子らを温める為に、火鉢の熱を逃がさぬように待っていよう。
*
【落ちぶれ貴族の小さな希望】
「君は、魔法を信じるかね?」
擦り切れたローブを身に纏った長身の男は、近くにあった切り株に腰を下ろすと、そう言った。
彼が懐から取り出した拳より一回り小さい石は眩い光を放っており、海をそのまま切り出したかのような美しさをしている。
「これは……」
彼の連れと思われる少年も、そのあまりの美しさにたじろいでしまう程だった。
「西の商人から手に入れたものだ。これがあれば、我らもまたかつての栄光を手にすることが出来るかもしれない」




