表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノヴァリアの魔導師〜転生したら全属性使いだった〜  作者: にゃふ
第20話:東方辺境都市編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
216/224

第215章:黒い結晶

 街道。


 張り詰めた空気。


 侵食体が次々と姿を現す。


 黒い霧。


 歪む空間。


 ◆


「来る!」


 カレンが前へ出る。


 赤い刃が走る。


 ザンッ!!


 一体を切り裂く。


 ◆


 ミナも飛び込む。


「レイ下がって!」


「まだ本調子じゃないでしょ!」


 ◆


 だが。


 レイは自分の手を見る。


 黒い結晶。


 淡く脈打つ。


 ◆


 ドクン。


 頭に響くノイズ。


 知らない感覚。


 なのに。


 どこか懐かしい。


 ◆


『……忘れるな』


 声。


『境界を閉じる鍵は――』


 ブツッ。


 途切れる。


 ◆


「っ……!」


 レイがよろける。


 ◆


「レイ!」


 セラが支える。


「大丈夫!?」


「……なんか」


 息を整える。


「少しだけ……思い出しそう」


 ◆


 その瞬間。


 侵食体が背後から迫る。


 黒い槍。


 一直線。


 ◆


「危ない!」


 ミナの声。


 ◆


 レイが反射的に手を上げる。


 考える前。


 身体が動いた。


 ◆


 ピシッ。


 空間が震える。


 蒼い光。


 ◆


 ギィ……


 手の中に――


 剣が現れる。


 ◆


 全員が止まる。


「出した……!」


 マリーナが驚く。


 ◆


 レイ自身も目を見開く。


「……俺」


 覚えてない。


 でも。


 身体は覚えている。


 ◆


 侵食槍が迫る。


 反射的に剣を振る。


 ザンッ!!


 槍が裂ける。


 空間ごと断つ。


 ◆


 沈黙。


 ◆


 ミナが笑う。


「おかえり、その反則武器」


 ◆


 レイが少し困った顔。


「……なんか勝手に出た」


「前もそんな感じだった」


 ユーノが即答。


 ◆


 だが。


 その時。


 結晶が急に強く光る。


 ◆


 パキッ。


 小さくヒビが入る。


「……え?」


 ◆


 次の瞬間。


 黒い光が広がる。


 視界が塗り潰される。


 ◆


 ――知らない場所。


 暗闇。


 壊れた空間。


 ◆


 そこにいた。


 黒い外套の人物。


 顔は見えない。


 ◆


 そして。


 その隣に――


 レイ自身。


 今より少し大人びた姿。


 傷だらけ。


 蒼黒の剣を持っている。


 ◆


『……間に合わなかった』


 未来のようなレイが言う。


 ◆


 黒衣の人物が低く答える。


『だからやり直した』


 ◆


『今度こそ』


 未来のレイが苦しそうに笑う。


『俺が全部止める』


 ◆


 ブツン。


 視界が戻る。


 ◆


 街道。


 全員が心配そうに見ていた。


「レイ!?」


 ◆


 レイの呼吸が荒い。


 汗が流れる。


 ◆


「……今の」


 小さく呟く。


「俺だった」


 ◆


 空気が止まる。


 ◆


 アイリスが初めて驚いた顔をする。


「……未来視?」


「いや」


 レイが首を振る。


「もっと嫌な感じ」


 ◆


 手の中の結晶を見る。


 ヒビが増えている。


 ◆


 そして。


 そこに文字が浮かぶ。


 黒い光。


 ◆


 『ルミナス地下・第零層』


 ◆


 ユーノの顔色が変わる。


「第零層……?」


「そんな場所、記録にないぞ」


 ◆


 レイの胸がざわつく。


 嫌な予感。


 でも。


 行かなきゃいけない。


 そんな確信だけがあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ