表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノヴァリアの魔導師〜転生したら全属性使いだった〜  作者: にゃふ
第20話:東方辺境都市編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
215/224

第214章:東への道

王都を出発して二日。


 魔導馬車は東方街道を進んでいた。


 窓の外には広い草原。


 時折、小さな村が見える。


 平和――に見える。


 でも。


 空気のどこかが、妙だった。


 ◆


「静かすぎない?」


 ミナが窓の外を見ながら言う。


「盗賊も魔物も少ない」


 ◆


 ガルドが腕を組む。


「確かに」


「辺境街道なら普通もっと出る」


 ◆


 ユーノが地図を見る。


「周辺生態反応も減少」


「……逃げてる?」


 ◆


 嫌な沈黙。


 ◆


 レイは窓側でぼんやりしていた。


 身体は回復してきた。


 でも。


 頭の奥に、ずっと違和感がある。


 ◆


 知らない景色。


 知らない仲間。


 なのに。


 時々。


 妙に安心する。


 ◆


 ミナが隣に座る。


「ぼーっとしてる」


「考え事」


「記憶?」


 ◆


 レイは少し悩む。


「……それもある」


「でも」


 窓の外を見る。


「なんか変な感じする」


 ◆


「変?」


「この道」


 少し眉をひそめる。


「初めてのはずなのに」


「知ってる気がする」


 ◆


 ミナの表情が少し変わる。


「……記憶?」


「分かんない」


 ◆


 その時。


 馬車が急停止した。


 ガタンッ!!


「うわっ!?」


 マリーナが転びそうになる。


 ◆


 外から声。


「止まれ!」


「誰だ!?」


 ◆


 カレンが即座に立つ。


「敵?」


 ◆


 外へ出る。


 すると。


 街道の真ん中に、一人の男が立っていた。


 黒い外套。


 顔は見えない。


 ◆


 空気が止まる。


 ◆


 レイの心臓が強く跳ねた。


(……知ってる)


 ◆


 男がゆっくり顔を上げる。


 あの声。


「久しぶりだな」


 ◆


 ミナが剣を抜く。


「誰?」


 ◆


 男は答えない。


 ただ。


 レイを見る。


 真っ直ぐ。


 ◆


「……まだ覚えてないか」


 少しだけ苦そうな声。


 ◆


 レイが前へ出る。


「あなたは」


「誰なんですか」


 ◆


 男は少し黙る。


 そして。


 低く言った。


「……敵でいた方が楽なんだがな」


 ◆


 次の瞬間。


 空間が歪む。


 黒い霧。


 そして――


 無数の侵食体。


 ◆


「っ!」


 カレンが構える。


「戦闘!」


 ◆


 だが男は静かだった。


「時間がない」


 レイへ向けて。


「ルミナスへ急げ」


「“門”が開けば終わる」


 ◆


 ユーノが目を見開く。


「何を知ってる!?」


 ◆


 男は答えない。


 ただ。


 一瞬だけ。


 レイへ何かを投げた。


 ◆


 小さな黒い結晶。


 ◆


「……それを持ってろ」


「いずれ分かる」


 ◆


 次の瞬間。


 侵食体が襲いかかる。


 そして男は。


 霧の中へ消えた。


 ◆


 残されたのは。


 不気味な静寂。


 そして。


 レイの手の中に残る――


 黒い結晶。


 ◆


 触れた瞬間。


 頭にノイズが走る。


 知らない記憶。


 誰かの声。


『……お前だけは忘れるな』


 ◆


 レイが頭を押さえる。


「っ……!」


 ◆


 結晶が、淡く光った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ