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ノヴァリアの魔導師〜転生したら全属性使いだった〜  作者: にゃふ
第19話:王都編

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第208章:限界の先

地下最深部。


 巨大な“門”。


 黒い霧。


 そして――


 目の前に立つ、黒い外套の人物。


「……遅かったな」


 その声。


 どこか、自分に似ている。


 レイの背筋に寒気が走る。


 ◆


 ミナが一歩前へ出る。


「誰?」


 剣を構える。


「敵ってことでいい?」


 ◆


 黒衣の人物は答えない。


 ただ。


 ゆっくりと手を上げた。


 その瞬間。


 空間が、歪む。


 ドゴォッ!!


 通路全体に圧力が走る。


「っ!?」


 ガルドが即座に盾を展開。


 だが押される。


「重っ……!!」


 ◆


 ユーノが顔を変える。


「まずい!」


「こいつ、空間干渉のレベルが違う!」


 ◆


 レイの目が細くなる。


(……似てる)


 違う。


 似ているんじゃない。


 同じ系統だ。


 ◆


 黒衣の人物が低く言う。


「“門”に近づくな」


「今のお前では壊れる」


 ◆


 レイが眉をひそめる。


「……何者だ」


「今は敵でいい」


 その瞬間。


 消えた。


 ◆


「レイ!!」


 ミナの声。


 直後。


 ドンッ!!


 レイが横へ吹き飛ぶ。


 壁に叩きつけられる。


「っ……!」


 速い。


 見えなかった。


 ◆


「囲む!」


 カレンが叫ぶ。


 ミナ、ガルドが同時に動く。


 だが。


 ザンッ!!


 斬撃が空を切る。


 いない。


 ◆


 背後。


 黒衣が現れる。


 アイリスが干渉固定。


「今!」


 ミナが飛び込む。


 だが。


 ピシッ。


 固定が“壊される”。


「嘘っ!?」


 ◆


 レイは息を整える。


 右腕のヒビ。


 侵食傷。


 限界に近い。


 でも。


 目の前の相手。


 分かる。


 ここで止めなきゃいけない。


 ◆


(全部使う)


 危険なのは分かってる。


 壊れるかもしれない。


 それでも。


 ◆


 レイが剣を握る。


 蒼い光。


 さらに深い黒。


 二つが混ざる。


 空間が震え始める。


 ◆


「レイ!?」


 ミナが顔を変える。


「それヤバいやつ!」


 ◆


「……止まれない」


 静かな声。


「ここで負けたら、もっとヤバい」


 ◆


 剣が変化する。


 紋様が増える。


 蒼と黒の光。


 地下全体が軋む。


 ユーノが青ざめる。


「干渉値が暴走してる!」


 ◆


 レイが構える。


「――《境界剣技・零界断れいかいだん》」


 ◆


 消えた。


 黒衣の人物の前。


 一瞬。


 剣がぶつかる。


 衝撃。


 空間が割れる。


 ◆


「……成長は早い」


 黒衣が低く言う。


「でも、まだ甘い」


 ◆


 次の瞬間。


 鋭い衝撃。


 レイの身体が止まる。


「……っ」


 ◆


 視界が揺れる。


 身体から力が抜ける。


 相手の攻撃が、深く入った。


 動きが止まる。


 ◆


「レイ!!」


 ミナの声。


 空気が凍る。


 ◆


 だが。


 レイは倒れなかった。


 息を乱しながら。


 剣を、まだ握っている。


「……まだ」


 声が震える。


「終わってない」


 ◆


 黒衣の人物が、初めて目を細める。


「……そこまで立つか」


 ◆


 ミナが怒った顔で前へ出る。


「もう十分!」


「今度はあたしたちも戦う!」


 カレンも剣を構える。


 アイリスが干渉準備。


 ◆


 そして。


 巨大な“門”が――


 ゆっくり開き始める。


 奥から。


 もっと異質な気配が漏れ出す。


 ◆


 黒衣の人物が初めて焦りを見せる。


「……最悪だ」


「間に合わなかったか」


 ◆


 戦いは。


 次の段階へ進もうとしていた。

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