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ノヴァリアの魔導師〜転生したら全属性使いだった〜  作者: にゃふ
第19話:王都編

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第205章:境界剣技

 地下空間。


 崩れる天井。


 歪む壁。


 巨大な“目”が、ゆっくりと開く。


『……危険認定』


『……排除開始』


 ◆


 次の瞬間。


 ドゴォォッ!!


 通路全体を埋め尽くすほどの黒い腕が襲いかかる。


「多っ!?」


 マリーナが顔を引きつらせる。


 ◆


「ガルド!」


「おう!」


 大盾が展開。


 ドンッ!!


 黒い腕を押し返す。


 だが止まらない。


 押し潰される。


「力バカかよ!!」


 ◆


 ミナが突っ込む。


 ザンッ!!


 数体を切る。


 だが再生。


「キリない!」


 ◆


 レイは一歩前へ出る。


 右手の剣が脈動する。


 ギィ……


 まるで、何かを求めるように。


 ◆


(……分かる)


 頭の中へ流れ込む感覚。


 この剣。


 ただ斬るためじゃない。


 “境界”に干渉する。


 なら――


 ◆


「レイ!」


 ミナが叫ぶ。


「なんか来る!」


 巨大な黒槍が形成される。


 一直線。


 レイ目掛けて。


 ◆


 だが。


 レイは動かなかった。


 剣を構える。


 静かに息を吐く。


 ◆


「……いける」


 初めてなのに。


 なぜか知っている。


 ◆


 剣を下段に構える。


 蒼い光が刃を走る。


 空間が揺れる。


 ◆


「――境界断」


 小さく呟く。


 そして。


 一閃。


 ◆


 ザンッ――


 音が、遅れて来た。


 ◆


 巨大な黒槍が。


 空間ごと。


 真っ二つに裂ける。


 しかも。


 後ろの壁にまで一直線の裂け目。


 ◆


 沈黙。


「……え?」


 ミナが止まる。


 ガルドも固まる。


「今、何した?」


 ◆


 ユーノが即解析。


「違う……」


「ただ斬ったんじゃない」


「“存在の繋がり”を断った」


 ◆


 巨大な目が揺れる。


『……異常』


『……理解不能』


 ◆


 レイ自身も驚いていた。


「……今の」


 普通じゃない。


 剣が導いた。


 ◆


 だが次の瞬間。


 もっと巨大な黒い波が押し寄せる。


 通路全体を覆うレベル。


「うわっ!」


「避けられない!」


 ◆


 レイの中で、何かが閃く。


 もう一つ。


 剣が教えてくる。


 ◆


 剣を握る。


 魔力。


 いや、もっと深い感覚。


 向こう側との境界。


 それを、刃に乗せる。


 ◆


「……なら」


 目を細める。


「まとめて消えろ」


 ◆


 剣を横へ構える。


 蒼い紋様が広がる。


 地面に魔法陣。


 でも普通じゃない。


 空間そのものに刻まれる。


 ◆


「《境界剣技・虚空裂界こくうれっかい》」


 ◆


 振り抜く。


 ドンッ――!!


 ◆


 世界が、一瞬止まった。


 ◆


 次の瞬間。


 空間そのものに、巨大な斬撃線。


 黒い波が。


 壁が。


 侵食空間が。


 まとめて――


 裂けた。


 ◆


 静寂。


 完全消滅。


 再生なし。


 ◆


 全員が絶句。


 ミナが一番最初に言った。


「……それズルくない?」


 ◆


 レイは肩で息をする。


「……反動エグい」


 膝が少し震える。


 剣も不安定に揺れる。


 ◆


 アイリスが目を見開く。


「その技……」


「本来なら使えない」


 ◆


 巨大な目が、初めて後退する。


『……危険度上昇』


『……優先排除対象変更』


 ◆


 “目”が完全にレイだけを見る。


 空気が凍る。


 ◆


 レイは剣を構え直す。


 少し笑う。


「……来いよ」


「次は核ごと斬る」


 ◆


 その瞬間。


 地下深部から――


 さらに巨大な反応が目覚める。


 ユーノの顔色が変わる。


「待て……」


「これ、まだ前座だ」


 ◆


 地下最深部。


 何かが――


 起き始めていた。

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