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ノヴァリアの魔導師〜転生したら全属性使いだった〜  作者: にゃふ
第19話:王都編

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第204章:創造の剣

地下通路。


 崩れかけた空間。


 歪む壁。


 そして――


 暗闇に浮かぶ巨大な“目”。


『……干渉核』


『……発見』


 明確な敵意。


 狙いは、レイ。


 ◆


 空気が重い。


 誰も動けない。


 圧が違う。


 北方の核より、もっと濃い。


 もっと深い。


 ◆


 ミナが一歩前へ出る。


「レイ、下がって」


 剣を構える。


「今回はあたしが前やる」


 ◆


 だが。


 レイは動かなかった。


 じっと“目”を見ている。


 何かを感じていた。


 頭の奥。


 向こう側の感覚。


 境界。


 構造。


 そして――


 “形”。


 ◆


(……作れる)


 ふと。


 そんな感覚が走る。


 理由は分からない。


 でも理解してしまった。


 今の自分なら。


 “向こう側”の構造を、少しだけ使える。


 ◆


「……レイ?」


 ミナが振り向く。


 レイがゆっくり右手を上げる。


「ちょっと試す」


「は?」


 ◆


 空気が変わる。


 周囲の魔力が、レイへ集まり始める。


 いや。


 魔力だけじゃない。


 “空間”そのものが揺れる。


 ピシッ。


 ヒビみたいな光。


 ◆


 ユーノが目を見開く。


「待て……何してる」


 リュシエルも息を呑む。


「まさか……創造?」


 ◆


 レイの手の中。


 何もない空間が、歪む。


 黒と白の粒子。


 そして蒼い光。


 それが、少しずつ――


 “剣の形”になる。


 ◆


 ミナが呆然とする。


「……武器?」


 ◆


 ギィィ……


 金属ではない音。


 でも剣。


 長剣。


 少し透明。


 刃の内側に、淡い光が流れている。


 柄には謎の紋様。


 現実の武器じゃない。


 どこか――


 “境界側”の武器。


 ◆


 レイが握る。


 瞬間。


 空気が震えた。


 ドクン。


 まるで剣が、生きているみたいに。


 ◆


「……重っ」


 レイが眉をひそめる。


 だが振れる。


 感覚がある。


「使える」


 ◆


 カレンが完全に警戒顔。


「それ、普通の魔法じゃないわよね」


「多分」


 レイも苦笑する。


「初めてだから分からん」


「初見でやるな!」


 ミナがツッコむ。


 ◆


 その瞬間。


 巨大な目が開く。


 ドゴォッ!!


 黒い腕が大量に飛び出す。


「来る!」


 ◆


 ミナが飛び出そうとした。


 だが。


 レイが前へ。


「俺やる」


 ◆


 剣を構える。


 自然と分かる。


 振り方。


 通し方。


 壊し方。


 ◆


「――っ」


 一閃。


 ザンッ!!


 黒い腕が――


 空間ごと切れた。


 ◆


 沈黙。


 誰も声が出ない。


 壁ごと。


 歪みごと。


 “存在”そのものが断たれている。


 再生しない。


 ◆


 ユーノが珍しく動揺する。


「……あり得ない」


「観測侵食を斬った?」


 ◆


 アイリスが静かに呟く。


「やっぱり……」


 レイを見る。


「あなた、普通の干渉者じゃない」


 ◆


 巨大な目が揺れる。


 初めて。


 明確に――


 警戒した。


『……危険認定』


 ◆


 レイは剣を見る。


 淡く脈動している。


 だが同時に。


 手が少し震える。


 負荷。


 大きい。


 ◆


 それでも。


 レイは前を見る。


「……これなら」


 剣を握り直す。


「やれる」


 ◆


 ミナがニヤッと笑う。


「ならさ」


 剣を肩に担ぐ。


「あたしも混ぜてよ」


 ◆


 カレンも構える。


 ガルドが拳を鳴らす。


 アイリスが目を閉じる。


 ◆


 王都地下。


 異常存在。


 そして――


 レイが初めて創り出した“境界の剣”。


 戦いが、始まる。

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