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ノヴァリアの魔導師〜転生したら全属性使いだった〜  作者: にゃふ
第19話:王都編

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第203章:王都地下異変

ギィィィィン――!!


 警報音が、作戦室全体を震わせる。


『地下第七層にて観測異常発生!』


『非戦闘員は直ちに退避!』


 赤い警告灯。


 張り詰める空気。


 ◆


 カレンが即座にコートを翻す。


「説明は移動しながら!」


 ガルドも立ち上がる。


「久々にデカいの来たな……!」


 ユーノは既に端末を操作している。


「反応速度が異常だ」


「発生から拡大まで三十秒未満」


「自然発生じゃない」


 ◆


 レイが眉をひそめる。


「誘発された?」


「可能性大」


 ユーノが即答する。


 その横で。


 アイリスが静かに目を閉じていた。


 そして。


「……近い」


 小さく呟く。


「すごく嫌な感じがする」


 ◆


 ミナが剣を担ぐ。


「つまり当たりってことね」


「前向きだなぁ……」


 マリーナが苦笑する。


 ◆


 一行は中央魔導院の地下通路へ向かう。


 重厚な扉。


 石造りの階段。


 下へ行くほど、空気が冷たくなる。


 ◆


「王都地下ってこんな広いの?」


 マリーナが周囲を見回す。


「元々は旧時代の遺構です」


 リュシエルが答える。


「その上に王都が築かれた」


「つまり」


 ミナが嫌そうな顔をする。


「ヤバいもん埋まってそう」


「実際かなりあります」


「うわ」


 ◆


 さらに下へ。


 そのとき。


 レイの頭に、ノイズが走る。


『……来る』


 ピタッ。


 レイが止まる。


「レイ?」


 ミナが振り返る。


 ◆


 次の瞬間。


 通路の壁が――


 グニャリと歪んだ。


「っ!?」


 空間が曲がる。


 石壁が液体みたいに波打つ。


 そして。


 そこから“腕”が伸びる。


 黒い腕。


 人ではない。


 ◆


「敵襲!」


 カレンが即座に抜刀。


 赤い魔力刃が走る。


 ズバァッ!!


 腕を切断。


 だが。


 切れた部分が空中で蠢く。


「気持ち悪っ!」


 ミナが飛び込む。


 ザンッ!!


 追撃。


 ◆


 だが壁全体が歪み始める。


 ボコッ、ボコッ、と。


 無数の黒い腕。


「増えてる!」


 マリーナが炎を放つ。


 ゴォォ!!


 炎が通路を埋める。


 だが完全には止まらない。


 ◆


「通常個体じゃない!」


 セラが叫ぶ。


「空間そのものから出てる!」


 ◆


 アイリスが前へ出る。


「下がって」


 静かな声。


 次の瞬間。


 彼女の瞳が金色に発光する。


 ピシッ。


 空間が“固定”される。


 壁の歪みが止まる。


 ◆


 レイが目を見開く。


(……同じ)


 自分と似た力。


 だが使い方が違う。


 もっと安定している。


 ◆


 アイリスが言う。


「レイ」


「中心を探して」


「……分かるのか?」


「あなたなら見えるはず」


 ◆


 レイは目を閉じる。


 集中。


 ノイズ。


 無数の歪み。


 その奥。


 一番深い場所。


 ◆


「……下だ」


 目を開く。


「もっと深いところに“核”がある」


 ◆


 ユーノが舌打ちする。


「やっぱりか」


「上層でこれなら、核はかなり危険だぞ」


 ◆


 その瞬間。


 地下全体が大きく揺れた。


 ドゴォン!!


 天井から瓦礫が落ちる。


「うわっ!」


 マリーナが叫ぶ。


 ◆


『警告』


『地下第七層、崩壊開始』


『繰り返す――』


 警報が途切れる。


 ノイズ。


 そして。


 聞いたことのない声が混ざる。


『……観測成功』


 全員が凍る。


 ◆


 レイの背筋が冷える。


 今のは。


 警報じゃない。


 “向こう側”だ。


 ◆


 アイリスが低く呟く。


「……直接侵食」


 カレンが剣を握り直す。


「最悪ね」


 ◆


 そのとき。


 通路の奥。


 暗闇の中に――


 “目”が開いた。


 巨大。


 黒い。


 人間ではない。


 ◆


 ガルドですら顔を引きつらせる。


「おいおい……」


「王都地下に何飼ってんだよ……」


 ◆


 レイは静かに前へ出る。


 胸の奥がざわつく。


 あれを知っている。


 いや。


 “向こう側”が、こちらを見ている。


 ◆


 黒い目が、ゆっくり細まる。


 そして。


『……干渉核』


 レイへ向けて。


『……発見』


 ◆


 地下空間が、大きく歪み始める。

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