表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノヴァリアの魔導師〜転生したら全属性使いだった〜  作者: にゃふ
第19話:王都編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
203/224

第202章:対観測者部隊

 会議終了後。


 レイたちは、王立中央魔導院の上層区画へ案内されていた。


 長い廊下。


 白い壁。


 静かな空気。


 だが、すれ違う人間全員から“ただ者じゃない”気配がする。


「胃が痛くなってきた」


 マリーナが小声で呟く。


「今さら?」


 ミナが笑う。


「北の森の方がヤバかったでしょ」


「怖さの種類が違うの!」


 ◆


 案内役の騎士が立ち止まる。


「ここだ」


 巨大な扉。


 そこには新しい紋章が刻まれていた。


 円環の中に、歪んだ星。


「これ……」


 セラが目を細める。


「対観測者部隊の仮紋章です」


 リュシエルが説明する。


「急造組織なので、まだ正式名称も定まっていません」


「行き当たりばったり感すごいね」


 ミナが苦笑する。


 ◆


 扉が開く。


 中は広い訓練兼作戦室。


 そして――


 既に何人かがいた。


 ◆


 最初に目に入ったのは。


 長い赤髪の女性。


 軍服風の黒コート。


 鋭い目。


 壁にもたれたまま、こちらを見る。


「……へぇ」


 口元だけ笑う。


「例の干渉者って、もっと化け物っぽいの想像してた」


 ◆


 ミナが即反応。


「感じ悪」


「事実確認よ」


 赤髪の女は肩をすくめる。


「私はカレン・ヴァルディア」


 カレン・ヴァルディア


「王国軍特殊戦術部隊所属」


「前線担当ってところ」


 ◆


 次。


 部屋の奥。


 本を読んでいる少年。


 年齢はレイたちと近い。


 銀髪。


 眼鏡。


 こちらを見ずに言う。


「騒がしい」


「……誰こいつ」


 ミナがひそひそ言う。


 少年は本を閉じる。


「聞こえてる」


 淡々と立ち上がる。


「ユーノ・アステル」


 ユーノ・アステル


「解析専門」


「戦闘は苦手」


「でも君たちより観測理論は理解してる」


「うわ性格」


「事実だ」


 ◆


 さらに。


 窓際にいた大柄な青年が手を上げる。


「おー、来た来た!」


 明るい声。


 筋肉。


 でかい。


「俺はガルド!」


 ガルド・ベイラン


「前衛担当!」


「よろしくな!」


 ミナが少し安心した顔になる。


「やっと普通っぽい人来た」


「失礼ねぇ」


 カレンが笑う。


 ◆


 最後。


 部屋の中央。


 一人の少女が静かに座っていた。


 黒髪。


 白い外套。


 目を閉じている。


 だが――


 レイは、その瞬間に分かった。


(……この子)


 “近い”。


 向こう側に。


 ◆


 少女がゆっくり目を開ける。


 金色の瞳。


 視線が、真っ直ぐレイへ向く。


「……初めまして」


 静かな声。


「私はアイリス」


 アイリス・ノクス


「あなたと同じ」


 少し間を置く。


「“見える側”の人間」


 ◆


 空気が止まる。


 セラが息を呑む。


「……まさか」


 リュシエルの表情も変わる。


「適性保持者……」


 ◆


 ミナがレイを見る。


「レイと同じって?」


 アイリスは静かに答える。


「完全ではないけど」


「私は“観測”に触れても壊れない」


 ◆


 レイの背筋に寒気が走る。


 初めてだ。


 自分と似た存在。


 ◆


 アイリスはじっとレイを見る。


 そして、小さく呟く。


「……でも」


「あなた、かなり深いところまで行ってるね」


 その瞬間。


 レイの中で、何かが反応した。


 ピシッ。


 一瞬だけ空間が歪む。


 カレンが即座に警戒姿勢。


 ガルドも真顔になる。


 ユーノだけが冷静に呟く。


「……やっぱり危険だ」


 ◆


 だがアイリスは動じない。


 むしろ少しだけ安心したように言う。


「よかった」


「まだ戻って来れてる」


 ◆


 レイは目を細める。


「……何を知ってる」


 アイリスは少し黙る。


 そして。


「全部じゃない」


「でも」


 静かに言った。


「“向こう側”は、もう王都の近くまで来てる」


 ◆


 その瞬間。


 部屋全体が――


 微かに揺れた。


 全員の顔が変わる。


 ユーノが即座に魔法端末を見る。


「……反応増大」


 カレンが舌打ち。


「最悪のタイミングね」


 ◆


 次の瞬間。


 警報が鳴り響く。


 ギィィィィン!!


『緊急警報!』


『王都地下層にて歪曲反応発生!』


『観測異常、急速拡大中!』


 ◆


 沈黙。


 そして。


 ミナがニヤッと笑う。


「歓迎会、派手すぎない?」


 レイは静かに立ち上がる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ