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ノヴァリアの魔導師〜転生したら全属性使いだった〜  作者: にゃふ
第18話:北方遠征編

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第197章:白の核

森の中心。


 そびえ立つ白い柱。


 その内部から現れた“それ”は――


 人の形をしていた。


 だが。


 輪郭が曖昧。


 身体は半透明の白。


 内部に、ゆっくりと回転する核のような光。


「……あれが本体」


 セラが低く言う。


 ミナが肩を回す。


「いいね」


 剣を構える。


「さっきのよりは楽しそう」


 ◆


 白の核が、ゆっくりと腕を上げる。


 その瞬間。


 ドクン。


 森全体が脈打つ。


「……やばい」


 レイが呟く。


 地面が光る。


 白い紋様が広がる。


「全員、離れろ!」


 ◆


 ドォン!!


 地面から、無数の白い槍が突き上がる。


「うわっ!」


 マリーナが飛び退く。


 ミナも回避。


「範囲攻撃か!」


 ◆


 セラが解析する。


「この範囲……」


「柱中心に広がってる!」


「つまり?」


 ミナが聞く。


「近づくほど危険ってこと!」


「面倒すぎ!」


 ◆


 その瞬間。


 白の核が、こちらを見る。


 そして――


 レイへ腕を向けた。


「っ!」


 ピシッ。


 空間が歪む。


 レイの身体が一瞬、ズレた。


「……は?」


 ミナが固まる。


 レイの姿が、わずかに二重に見える。


 セラが叫ぶ。


「存在干渉!」


「位置をズラしてる!」


 ◆


 レイが歯を食いしばる。


「こいつ……同じことしてきてる」


 自分と同じ系統。


 だが――


 精度が違う。


 ◆


「レイは後ろ!」


 ミナが前に出る。


「近接はあたしがやる!」


 ドン!!


 一気に距離を詰める。


 だが。


 ザンッ!!


 斬撃が――


 すり抜ける。


「は?」


 手応えがない。


 セラが叫ぶ。


「位相がズレてる!」


「タイミング合わないと当たらない!」


「クソゲーじゃん!」


 ◆


 リオンが即座に判断。


「合わせる」


 短く言う。


 レイを見る。


「干渉で固定できるか」


 レイが頷く。


「一瞬なら」


 ◆


 作戦が決まる。


「レイが固定!」


「その瞬間に叩く!」


 ミナが笑う。


「シンプルでいいね!」


 ◆


 白の核が再び動く。


 槍の嵐。


 ドドドド!!


 マリーナが叫ぶ。


「炎で相殺!」


 爆炎をぶつけ、進路を確保。


 セラが拘束魔法を展開。


 完全には止まらないが、動きが鈍る。


 ◆


「今だ!」


 レイが手を上げる。


 集中。


 干渉。


 空間を“掴む”。


「止まれ!」


 ピシッ。


 一瞬。


 白の核の輪郭が、はっきりする。


「今!!」


 ◆


 ミナが突っ込む。


 ドン!!


 最大速度。


 ザンッ!!


 今度は――


 当たる。


「入った!」


 ◆


 リオンも同時に踏み込む。


 ズバッ!!


 コアに直撃。


 白い光が揺れる。


 ◆


 だが次の瞬間。


 ドクン。


 核が強く脈動。


 吹き飛ばされる。


「ぐっ!」


 ミナが転がる。


「硬っ……!」


 ◆


 セラが叫ぶ。


「ダメージは通ってる!」


「でも再生してる!」


 見ると。


 傷がゆっくり塞がっていく。


 しかも――


 周囲の白い森から、粒子が集まっている。


「……やっぱり」


 レイが呟く。


「森と一体化してる」


 ◆


「つまり?」


 マリーナが聞く。


「核だけ壊してもダメ?」


「いや」


 レイは首を振る。


「壊せば止まる」


「ただし――」


 核を見る。


「一気にやらないと再生される」


 ◆


 ミナがニヤッと笑う。


「じゃあさ」


「最大火力でいくしかないでしょ」


 マリーナが頷く。


「任せて!」


 魔力を集中。


 セラも補助に入る。


 リュシエルが圧縮で空間を整える。


 リオンがタイミングを測る。


 ◆


 レイが手を上げる。


 だが――


 少し揺れる。


 ミナが気づく。


「レイ?」


「……大丈夫」


 だが明らかに負荷が来ている。


 それでも。


 目は逸らさない。


 ◆


「一回で決めるぞ」


 全員が頷く。


 ◆


 白の核が、再び槍を構える。


 だがその前に。


「今だ!」


 レイが干渉。


 空間固定。


 完全ではない。


 だが――


 十分。


 ◆


「いけええええ!!」


 ミナが突っ込む。


 リオンも同時。


 マリーナの極大魔法が放たれる。


 セラの補助が重なる。


 リュシエルの圧縮が一点に集中。


 ◆


 全てが重なる。


 そして――


 コアへ。


 直撃。


 ◆


 白の核が、初めて大きく歪む。


 光が暴れる。


 空間が軋む。


 レイが歯を食いしばる。


「……砕けろ」


 手を握る。


 ◆


 パキッ。


 小さな音。


 次の瞬間。


 バンッ!!!


 コアが、砕けた。


 ◆


 白い柱が崩れ始める。


 森の白が、揺らぐ。


 ミナが息を吐く。


「……勝った?」


 セラが周囲を見る。


「反応が……消えていく」


 マリーナが座り込む。


「はぁ……やっと終わった……」


 ◆


 だが。


 レイだけが、空を見ていた。


 わずかに残る“違和感”。


「……いや」


 小さく呟く。


「まだ、終わってない」


 その言葉と同時。


 砕けた核の奥から――


 黒い“何か”が滲み出す。


 白とは違う。


 もっと深い。


 もっと“向こう側”の気配。


 ミナが顔をしかめる。


「……は?」


「第二形態?」


 レイの目が細くなる。


「違う」


 低く言う。


「本体に繋がってる」


 ◆


 白の森の奥。


 さらに深い“何か”が、目を開く。

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