第196章:突破戦線
白の群れが、再び押し寄せる。
カチ、カチ、カチ――
数は減らない。
倒しても、また立ち上がる。
終わりが見えない。
だが。
レイは前を見ていた。
「……行くぞ」
低い声。
全員が頷く。
◆
「先頭はミナと俺」
「道を作る」
「了解!」
ミナが笑う。
「暴れるよ!」
◆
ドン!!
二人が同時に踏み込む。
群れの中心へ。
最短距離。
ミナが斬る。
ザンッ!!
レイが歪める。
バン!!
白い身体が次々と弾ける。
「右、来る!」
「見えてる!」
ミナが回転斬り。
周囲をまとめて切断。
道が開く。
◆
「後衛、ついて!」
マリーナが叫ぶ。
「火炎で押し返す!」
ドォン!!
炎が広がる。
完全には効かない。
だが――
“押す”ことはできる。
「セラ!」
「分かってる!」
拘束魔法展開。
進路上の個体を一瞬止める。
「今のうちに!」
◆
リオンが無言で動く。
進行ルートの邪魔な個体だけを的確に排除。
ズバッ!!
ズバッ!!
無駄がない。
◆
リュシエルが後方支援。
「圧縮領域、限定展開」
ドン!!
狭い範囲だけを押し潰す。
進行ルートを“掃除”する。
「持続三秒!」
「十分!」
◆
前線。
ミナが笑う。
「いい連携じゃん!」
さらに加速。
ドン!!
完全に先頭を切る。
レイが横で支える。
空間干渉で敵の動きをズラす。
「左開ける!」
「任せて!」
ミナが一気に斬り裂く。
道が広がる。
◆
だが。
その瞬間。
地面から、白い腕が伸びる。
「っ!」
ミナの足を掴む。
「うわっ!」
レイが即反応。
ピシッ。
空間を切る。
腕が弾ける。
「助かった!」
だが――
次の瞬間。
周囲の地面全体が、蠢いた。
「……来るぞ」
レイが呟く。
◆
ドドドドド!!
地面から一斉に“再生体”が出現。
数が倍増する。
マリーナが叫ぶ。
「無理無理無理!」
「これ突破できる量じゃない!」
◆
セラが歯を食いしばる。
「でも止まったら終わる!」
その通りだった。
立ち止まれば、飲まれる。
ミナが笑う。
「ならさ」
剣を握る。
「突っ切るだけでしょ!」
◆
レイの目が細くなる。
森の奥。
強い反応。
核。
もう近い。
「あと少しだ!」
◆
「全員、速度上げる!」
レイが叫ぶ。
魔力が一瞬、揺れる。
空間干渉が強くなる。
敵の動きが鈍る。
「今だ!」
◆
ミナが限界まで加速。
ドン!!
完全に突破モード。
斬って、蹴って、弾いて。
一直線に進む。
◆
リオンが後方の穴を塞ぐように排除。
セラが拘束で追撃を遅らせる。
マリーナが炎で後方を焼く。
リュシエルが圧縮で密度を削る。
全員の動きが、完全に噛み合う。
◆
そして――
視界が開ける。
白い森の中心。
そこにあったのは――
巨大な白い柱。
地面から天へ伸びる、異質な構造。
「……あれが核?」
マリーナが呟く。
セラが頷く。
「間違いない……」
だがその瞬間。
柱が、ゆっくりと脈動する。
ドクン。
空気が震える。
レイの背筋が冷える。
「……来るぞ」
柱の表面が裂ける。
中から現れるのは――
より強大な“白い存在”。
人型だが、明らかに異質。
ミナが笑う。
「はいボス」
剣を構える。
「分かりやすくて助かる」
レイも一歩前へ。
「ここからが本番だ」
白い森の核との戦いが――
始まる。




