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ノヴァリアの魔導師〜転生したら全属性使いだった〜  作者: にゃふ
第17話:学院編

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第187章:獣の覚醒

 干渉体の身体が膨れ上がる。


 腕が三本、四本と増え、影の質量が重くなる。


 空気が圧される。


「……やばくない?」


 マリーナが後退する。


 セラも顔をしかめる。


「さっきより魔力が――」


「いや」


 リュシエルが首を振る。


「魔力じゃない」


 低く言う。


「存在密度が上がっています」


 干渉体が動いた。


 ドン!!


 床が砕ける。


 その突進は、さっきより明らかに速い。


 レイが身構える。


 だがその瞬間――


 影の前に飛び込む影があった。


「レイ、下がって!」


 ミナ。


 剣を構え、真正面から突っ込む。


「ミナ!?」


 レイが叫ぶ。


 だが彼女は止まらない。


 干渉体の拳が振り下ろされる。


 普通なら避ける。


 だがミナは――


 前へ出た。


 ギィン!!


 刃が拳を弾く。


 火花が散る。


「……重っ!」


 だがミナは笑っていた。


「でも、見える!」


 彼女の瞳が変わっていた。


 縦に細い獣の瞳孔。


 耳がぴくりと立つ。


 そして背中の毛が逆立つ。


 レイが気づく。


「……ミナ?」


 彼女の魔力が変化している。


 荒い。


 だが鋭い。


 ミナが地面を蹴る。


 ドン!


 一瞬で干渉体の横へ。


 剣が閃く。


 ズバッ!!


 影の腕が切り飛んだ。


 黒い粒子が散る。


「え?」


 マリーナが目を丸くする。


「今……切れた?」


 さっきまで、ほぼ効かなかったのに。


 ミナは笑う。


「やっぱり」


 指で耳を叩く。


「匂いがある」


「匂い?」


 セラが困惑する。


 ミナは鼻を鳴らす。


「魔力じゃない匂い」


「存在の匂い」


 干渉体が再生を始める。


 だがミナはもう動いていた。


 ドン!


 次の瞬間、背後にいる。


「遅い」


 ザン!


 背中を斬る。


 影が大きく歪む。


『……異常……』


 干渉体のノイズ声が乱れる。


 ミナは笑った。


「そりゃそうでしょ」


 剣を肩に担ぐ。


「獣人なめないで」


 次の瞬間。


 干渉体が四本腕で一斉攻撃。


 ドドドド!!


 拳が嵐のように降る。


 だが――


 全部空振り。


 ミナは影の隙間をすり抜けている。


「速すぎる……」


 マリーナが呟く。


 リオンも驚いている。


「視認困難」


 ミナの動きは、ほとんど残像。


 干渉体が振り向く。


 だがもう遅い。


 ザン!!


 また一撃。


 腕が落ちる。


 再生する。


 また斬る。


 また再生。


 また斬る。


 ミナが舌を鳴らす。


「ちょっとウザいね」


 だが目は楽しそうだ。


 レイが声をかける。


「ミナ!」


「分かってる!」


 即答。


「再生コアあるでしょ!」


 レイも頷く。


「胸の中心!」


「OK!」


 ミナが地面を蹴る。


 ドン!!


 干渉体が腕を振る。


 ミナは空中で回転。


 刃が光る。


 ザンッ!!


 胸を斬り裂く。


 その瞬間。


 黒い球体が見えた。


 小さな“核”。


「見えた!」


 ミナが叫ぶ。


 レイの目が細くなる。


 手を上げる。


 空間が静かに歪む。


 干渉。


 観測。


 そして――


「そこだ」


 パキッ。


 空気が割れる音。


 次の瞬間。


 バン!!


 核が、内側から弾けた。


 干渉体の身体が一瞬止まる。


 ミナが笑う。


「ナイス!」


 そして――


 ザンッ!!


 核ごと真っ二つにした。


 黒い影が崩れる。


 粒子になって、空間に消える。


 静寂。


 ミナが剣を振って血(粒子)を払う。


「よし」


 振り向く。


「終わり!」


 マリーナが拍手する。


「ミナすごっ!」


 セラも少し驚いている。


「獣人の感覚……ここまでとは」


 だが。


 リュシエルが、まだ奥を見ている。


「……終わっていません」


 その言葉と同時。


 観測層の奥。


 暗闇が、ゆっくり揺れた。


 レイの背筋が凍る。


 さっきの干渉体。


 あれは――


 一体だけじゃない。


 暗闇の奥。


 いくつもの光点が、ゆっくりと開く。


 ミナが苦笑する。


「……あー」


 剣を構え直す。


「これ、群れ?」


 レイが小さく息を吐く。


「歓迎が手厚いな」


 旧式観測層の奥。


 本体に繋がる干渉体群が動き始める。

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