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ノヴァリアの魔導師〜転生したら全属性使いだった〜  作者: にゃふ
第17話:学院編

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第185章:連鎖異常」

 ギィィィ……


 地下の巨大扉が、さらに開く。


 暗闇が、ゆっくりと姿を見せる。


 旧式観測層。


 長い間封じられていた空間。


 その瞬間だった。


 ――ドン。


 鈍い振動が学院全体を揺らした。


「今の……」


 マリーナが顔を上げる。


 セラの魔力計測器が一斉に点滅した。


「待って、これ……」


 数値が跳ね上がる。


「学院全域で魔力波が乱れてる!」


 リュシエルが即座に判断する。


「連鎖異常です」


「早すぎない!?」


 ミナが叫ぶ。


「まだ完全開放してないよ!」


「旧式観測層は学院の魔力網の“根”です」


 短く説明する。


「封印が解ければ、

 全魔導設備が影響を受ける」


 ◆


 同時刻。


 学院・中央訓練場。


 学生たちがざわついていた。


「おい、魔法陣が……」


 訓練用の魔法陣が、勝手に光り始める。


 次の瞬間。


 バチン!


 火花が弾けた。


「うわっ!」


 魔力が暴走する。


 防御障壁が勝手に展開し、次の瞬間消える。


 空間が歪む。


「何が起きてるんだ!」


 教師たちが慌てて制御に入る。


 だが――


 止まらない。


 ◆


 学院図書塔。


 本棚の魔導封印が次々と開く。


 古い書物が浮かび上がる。


「ちょっと待って!」


 司書が叫ぶ。


「封印書庫まで開いてる!」


 禁書の棚が、ゆっくりと光り始めた。


 ◆


 観測塔。


 巨大水晶が、これまでにない光を放つ。


 監視員が叫ぶ。


「魔力波、指数関数的に増加!」


「原因は!?」


「地下からです!」


 水晶の表面に、異常波形が映る。


 その中心に――


 レイの魔力波形。


 ◆


 学院長室。


 エルドは静かに窓の外を見ていた。


 学院の結界が、淡く揺れている。


「……想定より派手だな」


 机の水晶が震える。


 通信。


「学院長!」


 教師の声。


『魔導設備が制御不能です!』


「分かっている」


 落ち着いた声。


「学生の避難を優先しなさい」


『地下は!?』


 短い沈黙。


 エルドは小さく息を吐いた。


「……地下は、止めない」


 通信が止まる。


 窓の外の空を見上げる。


 そこには、ほんのわずかな歪み。


「さあ」


 静かに呟く。


「世界はどこまで揺れる?」


 ◆


 地下。


 レイたちはまだ扉の前にいる。


 振動が強くなってきた。


「上、完全に異常出てるね」


 ミナが苦笑する。


 セラは焦っている。


「魔力網が共鳴してる……!」


「共鳴?」


「旧式観測層の回路が、

 学院の全魔法陣と繋がってるの!」


 つまり――


 この扉が開くほど、学院全体が揺れる。


 リュシエルが冷静に言う。


「第三段階に入ります」


「え、もう!?」


「止める方が危険です」


 確かに。


 中途半端に解放した状態が一番危ない。


「レイ」


 リュシエルが真っ直ぐ見る。


「最後の鍵を」


 レイは頷く。


 再び魔力を流す。


 その瞬間。


 空間の向こうから、強い視線。


 さっきより明確。


 数も増えている。


「……完全にバレた」


 ミナが笑う。


「遅いくらい」


 ギィィィィ……


 巨大扉が、大きく動く。


 そして。


 バン!


 封印回路が砕け散った。


 旧式観測層の扉が、完全に開く。


 その瞬間――


 学院上空の結界が、大きく揺れた。


 空間に、細い亀裂のような歪みが走る。


 地下の暗闇の奥から。


 冷たい空気が流れてくる。


 そしてレイは気づく。


 向こう側の奥。


 暗闇のさらに奥。


 何かが動いた。


 それは、魔物ではない。


 魔力でもない。


 もっと――


 観測に近い存在。


 ミナが小さく呟く。


「……ねぇレイ」


「なんだ」


「歓迎されてない気がする」


 レイは暗闇を見つめる。


「当たり前だ」


 一歩、踏み出す。


「侵入者だからな」


 旧式観測層。


 長く封じられていた領域へ、

 彼らはついに足を踏み入れる。

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