あぁ、無理…
誤字・脱字などがありましたらお伝え下さい
短い間の攻防で皇子…いや、クリス様の圧に負けた
「分かったよ…善処する」
「うん、それでいいんだ。では、私はもう戻るね。まだ公務が残っているんだ」
「はい、今日はありがとうございました」
「ん?」
「あっ…、えっと…今日はありがとう………また、ね」
「ふふ…あぁ、また」
………ふぅ
やっと帰ってくれた
怖かったーー
あの人、信用はできる
なぜかは分からないけど信用できる
けど、怖い
あれだよ、あのオーラ
あのキラキラしてるけどどこか黒い
裏があるとわかりやすく出してくる
なんだろ、あれ
あ、あれだ
腹黒
絶対にそれだ
あの人にピッタリの言葉
でも、そうなったのには理由があるし……
まぁ、ボクはできる限りあの人を支えるようにしよう
そして………
復讐のために利用されてもらおう、かな
「シャル様」
あ、フィがいるの完璧に忘れてた
悪気はないよ?
ただフィの気配の消し方が上手いだけで
「なに?」
「私、シャル様が人間不信になったとは聞いていません…」
「あ………、」
あれれ?これは…
ガチギレだな
とりあえず
「えっと…ごめんね」
「私は、そんなに信用に足らないですか?」
「え、ちがうよ」
「私はシャル様のためならなんだってします!ですので、次からは私にもできるだけでいいので話してください!」
「は、はい」
これは…
無闇矢鱈に怒らせられないな
こんなうるうるした目でお願いされたら拒否なんてできない
犬、まさに犬
まぁフィは信用できる数少ない人間の一人
たまには相談してもいい、かな
◇◆◇
「フィ、表彰式について教えてくれないかな」
正直したくはないがあるからには完璧にしたい
表彰式まであと4日
時間はあまりない
「分かりました。今回の表彰式は四日後の昼下りの刻に執り行われます。式の内容は重要指名手配犯を確保したシャル様への感謝と褒美だと思われます。重要指名手配犯は全国から指名手配されるほどの者、ですので皇帝陛下から直々に感謝の言葉が送られるそうです。なお、皇帝陛下直属になられる際に行われる儀式は行われないそうです」
「そっか、ありがと」
あぁ、たしかにしてないな
それにしても……面倒くさい
重要指名手配犯を確保したっていうのも結果がそうなっただけ
別にしたくて確保したわけではない
結果論だ
あいつらはサフィアを酷い目にあわせた奴らだし、できるなら自分の手で殺したい
まぁ、今は無理だけど
いつかは……
まぁ、今はそれよりも表彰式の方だ
周りの目線をどうするか…
表彰式はそこまで大きくはないだろうが人間が多いのには変わりはない
人間が多いとか無理
「人間不信であるシャル様には酷なことだとは存じ上げますが少しの間ですので」
「うん、分かってるよ」
「大丈夫です!私もついていますから!」
「それは安心だね」
人間のことは棒かなんかに置き換えたらいいか
そんなことを気にしても仕方がない
それよりもこれからどうするかだ
ボクがここにいる理由は一つだけ
復讐
それだけだ
でもしたいことはもう一つある
刀の研究
玉鋼の代用になれる可能性があるものを造れたんだ
だから次は刀剣
刀剣の研究に没頭したい
今のところ錬金術師として何かをするわけでもないし…
剣術の練習もしたい
あとは錬金術師について人間が分かっていることを調べる
そのぐらいかな
「フィ、紅茶お願いしていい?フィが淹れた紅茶は格別なんだ」
「はい!今淹れますね!」
ああ、和やかでゆったりとしたこの時間
こんな安らかな時間が続けばいいのに……
安らか、か
はは、ボクには無縁の言葉だ
まだ6歳なのにこんな体験するとか普通ないよ?
はぁ、早く大人になりたい
強くなって、そして………
◇◆◇
ボクは今、盛大に後悔している
目の前には金装飾がされた大きな扉
その先には帝王様がいる
それに大勢の人間がいるのだろう
気配がする
でも、今はそんなことすらどうでもよく感じる
「シャル様、大丈夫ですか?」
「大丈夫と思う?」
三日間、ドレスの採寸や礼儀作法を叩き込まれた
そう、ドレス
ドレスなんだよ!!!!
なんでだよ!!!
ボクは!女!じゃない!!
女装なんて生前以来だ
母上に女扱いされていた間はずっと女装だった
妹が産まれたから解放されてもうしなくていいって思ってたのに……
別に男だから嫌だというわけではない…が!
正直前世では性別なんて気にしたら終わりだった
でも今は違う
ボクは女じゃない
女と勘違いされているのは知っているけど
ほんと、うそでしょ………
「時間です」
あぁ、時間か
はぁ…仕方がない
心を無にして乗り切ろう
「シャルティア・メアリー・グラス様のご登場です」
はぁぁぁ……
地獄の始まりだ
本日2話目です
最近忙しくて投稿するまでに間が空くことがあるとは思いますが優しく見守ってくれると嬉しいです




