皇子様の本当の…
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皇子様が話したいこと
なにかは分からないが雰囲気がいつもとは違い少し驚いたが聞くことにした
話しだしたその内容は少し意外なことだった
「私はね、この国の第二皇子として、父上の息子として産まれたことに誇りをもっている。いずれ兄上が皇帝位を継ぎ、私は兄上を臣下として支えていくつもりだ。だが、周りはそれを許してくれない。私は第二皇子だからね、当然皇位継承権を持っている。そして、当然私に皇帝位を継がせようとする者たちは多くいるんだ」
まぁ、いるだろうね
それにあの陰口メイドたちがしていたくだらない噂話のなかに第二皇子は天才
第二皇子は秀才
天才の域には届かない、と
本当、このメイドたち辞めさせたらいいのに……
まぁこんな噂が流れる程だ
皇子様を皇帝位に継がせたいと思う人達は多いだろう
「私は皇帝になる気はない、なる資格がない」
資格がない、ね
「私を皇帝位に継がせようとする貴族たちはただ甘い蜜を吸いたいだけだろう。別に私はその思考を悪いとは言わない。第一皇子派と第二皇子派で争うのも大事にしない限り構わない。それによって経済が発展する領地もあるからね。だが、皆私の皇族の位を利用しようとする。利用されるのは気に食わない、なら私も利用してやろうと思ったのが5歳の頃」
5歳の…
利用されるのはそれ程辛かったのだろうか
それ程劣悪だったのだろうか
そう思わせる程に酷いものだったのだろうか
語る皇子様の目は暗く、当時の酷さを物語っていた
「人を利用し続けていつの間にか3年も経っていた。そして君に出会った。私のことを見破られて驚いたよ。私自身も完璧だと思える程偽りができていたというのに…それと同時に焦りもした。もしかしたら周りの者にも気づかれているかもしれない、と。だが違った。君だから気づけたんだ」
ボクだから気づけた
うん、そうだ
ボクだから気づけたんだ
前世があったおかげで気づけた
「これ以上は君の許可がないと話せない。これから話すことは君が嫌な思いをするだろう……どうする?」
「…聞きます」
「そう………、私は君の背負っている大きなものは到底理解できない。君が想像できないくらいの多くの苦しいことに出会ってきたことは知っている。だけど私は……………
心の片隅に君を利用しようと企んでいる」
ボクを利用しようと企んでいる…?
「私は君に酷いことをしようとしているな…あのようなものを見ても君を利用しようと考えている私は醜い生き物だ」
皇子様は自嘲気味に笑った
そうか…
話を聞いて分かったことはいくつかある
けど、なによりこの人は今もとても苦しんでいるということ
皇子様は醜くない
これは皇子様が悪いわけではない
幼い頃の、そして今までの経験が今の皇子様をつくったんだ
「…ボクは酷いとは思いません」
「…え?」
「それは貴方にとって“抗いたくても抗えなかった”もの。人を利用しなければ生きてこれなかった。その状況をつくった人たちが悪いのです。それにボクは、その状況に上手く対応した皇子様は素晴らしいと思います」
ボクはできなかったから…
「なのでボクはそれを悪とは思いません」
それがこの人の生き方なら
ボクはそれを否定しない
生まれれたところが皇子という地位だから
ボクの前世だって似たようなものだ
ボクも皇子様も生まれたところですべてが決まった
「だが、私は君を」
「別にいいですよ、ボクを利用しても。余程酷いことでない限り。ボクは知っての通り最近まで人見知りで人が怖かったです。ですが人見知りはいつしかなくなり人間不信になりました…ボクも人を、人間を信用することができません…貴方と同じです」
ボクはただ、自分の思いを話すだけ
「だからこれからはボクも貴方と同じように人を利用していくかもしれません。その場合、ボクは皇族だとしても躊躇いなく貴方を利用するでしょう…そうなったらボクも同じです。だからお互い様です」
「……」
皇子様はボクの話に衝撃をうけたのかどうかは分からないが目を見開いてボクを見た
最近こんな顔よく見るなぁ
そして小さく笑いだした
「ふ、ふふ……そうか、お互い様か」
「はい、お互い様です」
「ふふ、君は本当に面白いね。こんなに悩んだ私が馬鹿みたいだ…そんなことを言ったら本当に利用してしまうよ?」
「いいですよ、嫌だったら拒否しますので」
「ふふ…うん、分かった。その時になったら君を利用しよう。それにしても君みたいな人は初めてだ…ねぇ、私も父上と同じようにシャルって呼んでもいいかい?私のことをクリスって呼んでよ」
「え、いいですが…」
この人、距離の詰め方が尋常じゃないぐらい早いな
早速確実に利用できるようにしている…
うん、このほうがやりやすい
「えっと………クリス様?」
言い慣れない…
皇子に対してこれはいいのか?
「うん、シャル、これから長い付き合いになると思う。よろしくね」
「はい、よろしくおねがいします」
「あ、あと敬語はいらないよ」
「え?」
「だって、シャルは父上の直属で錬金術師だ。そして今度表彰される。それだけで十分ボクと敬語いらずで話せるよ」
「いやむりです」
それだけで敬語なしで喋れるの???
「いらないよ?私が許可したのだから」
「むりですね」
「いらないよ」
「む、むりで…」
「ね?」
ニコニコ怖
圧、圧が凄い
この人まだ8歳だよね
子供だよね
え、なんでこんなオーラだせるの??
今日は2話投稿するつもりです
最近投稿できていなかったので
2話目はもう少し後で




