ボクの心(2)
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「怖い…?」
遠慮なく言った
この言葉に二人とも驚いている
「え、怖い?私は自分で言うのもなんですが優しいと定評があるのですが…」
それはそうだろう
皇子様のソレに気付けるのはボクだけだと思う
よく知ってるボクだけしか…
「笑顔…能面みたいに、貼り付けた、笑顔……裏でどう利用しようか、その価値はあるのか、見極めている……」
皇子様が目を見開いている
それでも表情は変化していない
それは普通に凄いと思う
「そういう人は突拍子のないことをする…だから、怖い……」
「まるで突拍子のないことをされたかのように言うな。確証があって言っているのか?」
「うん………殺されかけた…」
「「は…?」」
それは世界のすべてを否定したくなってた頃
刀鍛冶の夢を諦められずも触れる機会がゼロに等しくて、むしゃくしゃしてたのもあるけど親への反抗心もあって色々なことに挑戦していた
両親もボクが刀剣に関わらなければどうでもいいらしく見逃されていた
そんなときボクは誘拐された
親に恨みがある人たちから……
愛されていない、邪魔者扱いされているボクを誘拐しても意味ないのに…
その時は母上にも娘ができてボクはもう用済みだったから特に
誘拐されたもののそれは意味のなさないものだし、ボクも怪我とかしたくなかったし、面倒なことには関わりたくないし、なにより両親と関わるのは必要最低限にしたいから当時習得していた武術で脱出したのを覚えている
大体17歳の頃だったかな?
ほんと、誘拐した人も馬鹿だよね
すこし探りを入れたらボクのことや事情なんてすぐ分かるのに
そしたら誘拐しようなんて思わないのにね〜
「そうか…」
皇子様…?
考え込んでいたがなにかあったのだろうか
あ、これからは関わらないでくれるのかな!?
「これからはもう少し気をつけてみるよ」
おお!
それはそれは
「だからこれからは逃げないでくれるかい?」
・・・え?
「え……えっと…」
逃げないで……
これからも関わるつもり!?
こんな怖い人と??
「いいよね」
「えっ……と」
むりむりむり
いや〜むりでしょ
「いいよね?」
「……」
「ね?」
「…………はい」
断れませんでした
相手が皇子様だからというのもある
だが………圧!
圧がすごい!!
しかもすっごくニコニコしてる!
貼り付けた笑顔じゃない笑顔!
前よりも圧が強く感じるのはボクだけなのだろうか…
ボクにはYESしか選択肢はなかった
「話は終わったか?」
「はい。ご迷惑をおかけして申し訳ありません、父上」
帝王様は話が終わるまで待っててくれていた
優しい、優しいが!
これを止めてくれてもいいだろう…
「では次は余の番だな。シャルティア、どのような用で来た」
「その…交渉、です…」
「交渉?」
「ボク、衣食住を保証してもらった…けど、何も返せてない…」
「余の錬金術師なのだから保証して当然だ。それにそもそもそういう契約だろう」
いや、そうだけど…
「でも、その……貸し借りなしの関係がいい、です…」
「ほぉ…貸し借りなし、か…」
何その珍しいものを見る目
美形にそんなに見つめられても恐いだけでしょ
帝王様に人見知りが発動することは少ないがまだ目線は苦手だ
「だから、これを……」
手の上に金の延べ棒を造り渡した
頭に思い浮かべたのは純金
だからこの世界でも高価なんじゃないかな?
こうやって簡単に玉鋼が造れたらいいのに……いやいや
それは思ってはいけないことだ
今は帝王様に向き合おう
「これは…」
「直属、でも何もしてない…だから…」
「ふむ、交渉というより取引だな。余としては直属に錬金術師がいるだけで充分なのだが…そういう契約だしな」
「ボクがしたい、だけ…それに、ボクの手伝いしてくれるから……対価、みたいな」
「そうか…なら遠慮なく受け取ろう」
これでボクの目的は終わり
もうここにいる必要はないな
そう思って出ていこうとしてたら視線を感じた
ここにいるのはボクと帝王様とフィと皇子様だけ
フィは後ろだし帝王様は目の前にいるから消去法的に皇子様だった
見ると不思議そうに見てくる美少年が…
………キラキラしてるなぁ
「シャルティア殿、手伝いとは?」
えっ…
まさか…帝王様行ってないの!?
え、これ説明しなきゃいけないやつ?
ていうかボクに聞かないでよ
まぁ、説明なら……はぁ
「村の……復讐、です…」
「復讐……?」
笑顔の仮面が剥がれ驚いていた
予想外だったのかな?
ボクは説明を続けた
「あの人たちはボクの村を壊した…どんな理由か知らないけど……笑いながら、それはもう楽しみながら………」
あの人たちって言っても分からないだろうなぁ
説明するうちにボクは止まらなくなっていた
「ふざけるなっ!……あんな奴ら…あんな、あんな……その時あることに気づいたんです
この世は弱肉強食だと
壊した理由なんてどうでもいいんです…アイツらは己よりも非力な村人を殺した、ボクの大切な人たちを奪った…唯一を奪った…………なら、仕返ししなきゃですよね」
ハハッ…
我ながらよく喋るなぁ
人見知りなんだけどなぁ
ボクらしくない
止めたくても止めれない
暗くてどす黒い恨み
ふふ、あれ?
皇子様すごく青ざめている
「シャルティア、抑えろ」
「え?」
「魔力が暴走している」
「ごめんなさい…」
「いやいい」
あ、危ない危ない
すこしやりすぎたか
怒りを抑えるのは難しいな
でもこれのおかげでボクの心は定まった
あのときは村が壊されたばかりで心が不安定だった
あのとき復讐を誓ったけどそれは不安定の心でだった
でもいま確信に変わった
ボクは心から復讐を望んでいる
なら復讐をするためにも沢山勉強して強くならなきゃ
皇子様に感謝だね
「こちらの方でも襲撃した者らを調査してみよう」
「ありがとうござい、ます……フィ、行こう」
「はい!シャル様」
ここに長くいるのは良くない
この人は帝王様だから
それに皇子様もいる
これ以上周りからの目線を増やしたくない
目立ちたくない
そう思いフィを連れて出ようとした…が
「ん?シャル?フィ?」
帝王様がフィの言葉に反応した
帝王様が驚いた顔でボクを見る
ボクの魔力が暴走しても殺されかけたことを話しても表情は変えなかったのに
どうしたんだろう




