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神秘の結晶〜世界最後の錬金術師〜  作者: 聖華
第1章〜出会い〜
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ボクの心と初めての乗馬

誤字・脱字などがありましたらお伝え下さい


「シャルティア、望むものはあるか?」


衛兵の人たちがテントを片付けているなか、ボクはゼギルさんと話していた

この先会う機会がないかもしれない

あるとしても確実に機会は減るだろう

その前にたくさん話したかった

だけどこの一日で起きた色々な出来事が脳裏をよぎりあまり会話は盛り上がらなかった

その中、テントの片付けが終わったのか帝王様が会話に介入してきた


「望む…も、の?」

「あぁ、今望むことがあれば言ってほしい」


望むもの…

今ボクは何を望んでいるのか…分からない


「なんでもいい」

「シャル、遠慮なく言っていい」


なんでも…?

ボクの、望み…

ボクの望みは…


望むものを考えているとまた脳裏によぎった



村での光景を…



地面に横たわる血を流す村の人達

村の人達の血がこびりついた家が燃えていて…

父さんや母さん、よく世話を焼いてくれたばあや

唯一年が同じで、よく遊んでくれたルーシー

幼い頃からずっと一緒にいてくれた大事な大事なボクの神官で右腕で親友のサフィア

記憶を封じ込める宝珠でみたあの生なましい光景

村人たちの抵抗も意味をなさずただ一方的に虐殺されていく姿

そして…



それをなした、村を壊したあの蛆虫(うじむし)どもを…



あぁ、そうか

その姿をよぎってやっと望むものができた



〘復讐〙



憎悪、恨み、憎しみ、怒り、悲しみ…

言葉では言い表せない負の感情が押し寄せてくる

ボクは復讐したいんだ

村の人達の、家族の仇をうちたいんだ

たとえ家族がそれを望んでいなくても


「シャルティア?」

「シャル、どうした」


なんか心配そうな顔してボクを見てる

どうしたんだろう?

まぁそれはどうでもいいとして

ボクは自分の望みを帝王様の目を見て答えた


「ボクの望みは復讐」

「は?復讐?」

「復讐。村を壊した彼奴等(あいつら)に…村の仇だ」

「そうか…」


まぁ復讐を望んだけど叶えれるわけがない

こんなこと言うボクは受け入れてもらえないかな?

というかあれ?

今ボクスムーズに話せた

なんで?

ボクの体謎だ


「シャル、それは…」

「いいだろう」

「まぁむりで、す……え?」

「復讐だろう?ならば余が手助けしよう」

「帝王様が…?」


王様が?

え、この人何言ってるの?

まぁここで否定されたら暴れてたかもしれないけど

手助け、か

どうやって?


「我が国は大国だ。情報もいち早く集まる。武器などが欲しければ用意してやろう。剣や魔法を教授することもできる。復讐はお前の手でやりたいだろうから最善を尽くせるよう最大の支援をしよう」

「皇帝が言っていいセリフじゃないな」


ゼギルさん…それはそう

でもそうか

凄くいい


「余は言った。望むものはできるだけ叶えると。復讐でもなんでもよい。お前の好きにするがいい」


好きに…

そっか…

この人は復讐と聞いても嫌な顔せず引き受けるのか

そうか


「うん、好きにする」

「ああ、好きにしたらいい」


この人のことはよく知らない

人見知りのボクには恐怖の対象だ

…でも、恐怖がすこし和らいだ気がする

気がするだけだけど


「帝王様」

「なんだ」

「人見知り、ですが…よろしくおねがい、しまふ…っ!」


あ、かんだ…

恥ずかしい


「ふっ…あぁ、よろしく」


あ、笑った

優しい微笑み

なんか、父さんみたい

ボクも微笑んた…………あれ?

顔が微動たりしない

笑うってどうやってするんだっけ?

あぁ、そうか

前世のボクは喜怒哀楽を知らず表情などなかった

ボクは随分と前世の自分に引きずられているらしい

まぁそのほうが自分らしくて、やりやすいが

でもそうか、笑うことができないのか

そうか…

なんか少しだけ、寂しいな


「シャルティア?」

「あ、いえ」

「シャル、何かあれば俺のところに来なさい…な?」

「うん、ありがとゼギルさん」


少しだけ心が軽くなった


「それにしてもシャルのことを受け入れることができるのか?周りの奴らは」

「余の言うことを信じぬ者がいるとでも?」

「昔から自信がありすぎだ…まぁいないとは思うが」

「最初は何かとあるかもしれんが…出来る限り対処する」

「そうしてくれ」


話は終わったかな?

本当にこの二人の関係はなに?

いつか聞いてみよう


「陛下、準備が整いました」

「あぁ、シャルティア行くぞ」

「シャル、元気で」

「うん、ゼギルも」


最後のハグをし帝王様の馬に乗った

この世界に転生して初めての乗馬だ

視界が一気に高くなって新鮮な感覚だ

帝王様が馬の手綱を握り馬を軽く蹴り動き出した

最初は緩やかに、だんだんと速くなっていった


「すごい…」


この風邪を切る感覚

なつかしい

前世ではいろいろ挑戦していたから乗馬はしたことがある

空を飛ぶときとは全然ちがう

今日このとき初めて村の外に出た

すごくドキドキしている

青い空、広い草原…なのだろう

正直景色を楽しむ暇はない

気を抜けば馬から落ちる

帝王様が支えてくれているから大丈夫だとは思うけど、でも怖いものは怖い

反撞(はんどう)で体が揺さぶられて、酔いそうだ

今ボクは体の芯に力をいれて姿勢をキープするのに全力をかけている

子供の体だからか前世のように上手くいかずつらい





これ、いつまで続くのだろうか













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