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最終問題児 ー神山シリーズ短編集ー  作者: タッセル


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16/19

久保田の認識

何の話をしているんだろう。


「お前には、わからない」


神山は、別の仕事の書類を取りに会社に戻ってきた。


すると、そこには久保田がいた。


久保田は、何か流暢に話しているが何を言ってるのか、よくわからない。


新しい会社を立ち上げたい。


社員に国木田を募集したのに、無視された。


とか何とか言っていた。


神山が国木田だと、全く気がついていないようだ。


ずっと黒木の話らしいことを言ってる。


しかも目の前の神山を黒木だと思い込んでいる。


もうわけがわからない。


その場は、適当にやり過ごして後から話を聞かなければならないだろう。


神山は、頭が痛くなった。





どうやら、その新会社はうまくいっていないらしい。


社員が集まらないのが欠点になっているそうだ。


そういえば後で、黒木を改めて新会社に誘ってみたらしいが、ひどい追い返し方をされたと言っていた。


だろうね。


あのヤバイ人代表みたいな黒木が、そんな新会社の儲けが薄い話に乗ると思えない。


しかも、会社の利益を狙ってる、ライバル新会社にしたいというコンセプト。


それって実際には、黒木と直接敵対するという意味になる。


いやいや。


でも久保田はさっき、俺を目の前にしても黒木だと思って話していたし。


国木田は、別人だと思っている。


国木田は俺のもう一つの名前だ。


久保田は、どういう認識なんだ?


頭がこっちまで混乱しそうだ。


「あ」


ふと気がついた。


神山は普段、会社にいない。


普段、会社にいるのは、神山じゃなくて黒木だ。


今日たまたま、神山が本人として資料を取りに来たところを遭遇しただけだ。


神山は、誰かのせいにするのをやめた。

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