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最終問題児 ー神山シリーズ短編集ー  作者: タッセル


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15/19

脇役の人生

男、国木田。


ずいぶん、目立たない人生を送ってきました。


様々な祭りに呼ばれずに、仲間外れにされるのは、いつものことで。

気がついたら、存在ごと忘れ去られていました。


若い頃は、有名な作品に出た役者でした。


でも、すごく地味な活躍の役どころだったので。

他の役者さんが、その作品をきっかけに有名になっていくのを観ていました。


私は、ただ来ない仕事をぼんやり待ちながら、ゲームセンターで暇つぶしをしていました。


同じ用に仕事がない、他の共演者たちと知り合いになって、それはまあ良かったです。


でも他の一緒に共演した役者とは、それっきりです。

彼らへの連絡も無視されるようになりました。


たまに有名作品の続編を作られることになって。

そわそわしながら、呼び出しに答えてもスターになった彼らの邪魔しないように、目立たないように言われてきました。


そんな感じで。


世間様が思うよりも、ずっと寒い環境で生きてきました。


脇役なんて、そんなもんです。





ああ、そういえば。


彼らと決定的に決別する作品がありました。


その作品は、徹底的に私をチームの裏切者の悪者として描き、スター側のチームとその作品のライバルだったチームが仲間になる、という作品です。


作品名は忘れました。


とにかく、バケツを投げられたり、ボールをぶつけられたり、水をかけられる、棒で殴られる。

そりゃまあ、ひどい仕事でしたよ。


ああ、その作品はヒットしたのかって?


なぜかホラー作品として、ヒットしちゃいましたね。彼らには、誤算だったようです。




彼らと疎遠になったおかげでしょうか。その作品以降は、穏やかな日々でしたね。


小さな予算の作品に脇役として呼ばれる程度で。眠くなりそうな作品ばかりでしたが、退屈はしませんでした。


そんな感じで、ただ、スターの活躍を遠くからニュースで見る程度の生活をしていました。


退屈だけど、穏やかに過ごせる時間が、いつの間にか私には、大事なものになっていました。


もう一度、あのスターたちの撮影所に戻りたいかって?



はは。



冗談じゃない。



死んでもお断りします。

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