脇役の人生
男、国木田。
ずいぶん、目立たない人生を送ってきました。
様々な祭りに呼ばれずに、仲間外れにされるのは、いつものことで。
気がついたら、存在ごと忘れ去られていました。
若い頃は、有名な作品に出た役者でした。
でも、すごく地味な活躍の役どころだったので。
他の役者さんが、その作品をきっかけに有名になっていくのを観ていました。
私は、ただ来ない仕事をぼんやり待ちながら、ゲームセンターで暇つぶしをしていました。
同じ用に仕事がない、他の共演者たちと知り合いになって、それはまあ良かったです。
でも他の一緒に共演した役者とは、それっきりです。
彼らへの連絡も無視されるようになりました。
たまに有名作品の続編を作られることになって。
そわそわしながら、呼び出しに答えてもスターになった彼らの邪魔しないように、目立たないように言われてきました。
そんな感じで。
世間様が思うよりも、ずっと寒い環境で生きてきました。
脇役なんて、そんなもんです。
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ああ、そういえば。
彼らと決定的に決別する作品がありました。
その作品は、徹底的に私をチームの裏切者の悪者として描き、スター側のチームとその作品のライバルだったチームが仲間になる、という作品です。
作品名は忘れました。
とにかく、バケツを投げられたり、ボールをぶつけられたり、水をかけられる、棒で殴られる。
そりゃまあ、ひどい仕事でしたよ。
ああ、その作品はヒットしたのかって?
なぜかホラー作品として、ヒットしちゃいましたね。彼らには、誤算だったようです。
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彼らと疎遠になったおかげでしょうか。その作品以降は、穏やかな日々でしたね。
小さな予算の作品に脇役として呼ばれる程度で。眠くなりそうな作品ばかりでしたが、退屈はしませんでした。
そんな感じで、ただ、スターの活躍を遠くからニュースで見る程度の生活をしていました。
退屈だけど、穏やかに過ごせる時間が、いつの間にか私には、大事なものになっていました。
もう一度、あのスターたちの撮影所に戻りたいかって?
はは。
冗談じゃない。
死んでもお断りします。




