白い夢
耳鳴りがする。
乾いた砂が辺り一面に漂っている。
ふと、胸を締め付けられる気持ちに襲われる。
目の前が眩しく輝いた気がした。
「あれは」
神山は、目を覚ます。
自宅のリビングでどうやら眠っていたらしい。
窓の外を見ると、バーゲンセールをやっている店のチラシが目に入った気がした。
次の瞬間...それが消えて、普通のビルが見える。
疲れてるらしい。
神山は、もうひと眠りしようと思った。
□
あの騒動から、何年経っただろう。
すっかり色々と忘れてしまっていた。
会社の仕事も今はしていない。
神山は、ゆるく契約社員を続けていた。
そんな中、急に会社から呼び出しがあった。
「人手が足りないから助けてほしい」
確か、そんなメールだった。
本当は、行く気がなかったが、行かないと後が怖かった。
□
会社に着くと、小さな一室に通されて、顔を隠すようにと帽子と布を渡された。
他の人も数名、覆面だった。
何があったのだろうか。
神山は、黒木のふりをするように言われた。
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神山は、頭の中が混乱でいっぱいだった。
そういう遊びなのかと割り切って、黒木のふりをしてその場はやり過ごした。
何が起こっているのか、知りたかった、という理由もあった。
□
しばらくして。
神山を黒木だと思い込んでいる訪問客が現れた。
これに対応してほしいという事だろうか。
訪問客は、しばらく話すと満足して出ていった。
□
退屈な時間が流れた。
俺は、何故黒木のふりなんてしているのだろう。
ふと、監視していた連中が、部屋を出て他の場所に移動した。
そろそろ契約した時間だ。
時間を過ぎて付き合うつもりはない。
神山は、帽子と布をその場に置いて、さっさと部屋から逃げ帰った。
□
あれから、どうしたって。
使えない人間だと判断されたのだろう。
しばらく会社に近づかないように、と一方的にメールでよこして、それきりだった。
この汗ばむ時期になると、思い出す。




