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最終問題児 ー神山シリーズ短編集ー  作者: タッセル


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13/19

白い夢

耳鳴りがする。


乾いた砂が辺り一面に漂っている。


ふと、胸を締め付けられる気持ちに襲われる。


目の前が眩しく輝いた気がした。


「あれは」


神山は、目を覚ます。

自宅のリビングでどうやら眠っていたらしい。

窓の外を見ると、バーゲンセールをやっている店のチラシが目に入った気がした。


次の瞬間...それが消えて、普通のビルが見える。


疲れてるらしい。


神山は、もうひと眠りしようと思った。





あの騒動から、何年経っただろう。


すっかり色々と忘れてしまっていた。

会社の仕事も今はしていない。


神山は、ゆるく契約社員を続けていた。


そんな中、急に会社から呼び出しがあった。


「人手が足りないから助けてほしい」


確か、そんなメールだった。


本当は、行く気がなかったが、行かないと後が怖かった。





会社に着くと、小さな一室に通されて、顔を隠すようにと帽子と布を渡された。

他の人も数名、覆面だった。


何があったのだろうか。


神山は、黒木のふりをするように言われた。


????


神山は、頭の中が混乱でいっぱいだった。


そういう遊びなのかと割り切って、黒木のふりをしてその場はやり過ごした。


何が起こっているのか、知りたかった、という理由もあった。





しばらくして。


神山を黒木だと思い込んでいる訪問客が現れた。

これに対応してほしいという事だろうか。


訪問客は、しばらく話すと満足して出ていった。





退屈な時間が流れた。


俺は、何故黒木のふりなんてしているのだろう。


ふと、監視していた連中が、部屋を出て他の場所に移動した。


そろそろ契約した時間だ。


時間を過ぎて付き合うつもりはない。


神山は、帽子と布をその場に置いて、さっさと部屋から逃げ帰った。




あれから、どうしたって。


使えない人間だと判断されたのだろう。


しばらく会社に近づかないように、と一方的にメールでよこして、それきりだった。



この汗ばむ時期になると、思い出す。

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