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結晶の塔 最上部

「96かな?」

「さっきのがね」


猫又を倒して叫ぼうとした、その瞬間だった。


「お待たせ!」

「お姉ちゃん!」

「エミリア!」

「2人のおかげで10分しっかりと過ごせました」


3人で笑って


「さぁ、残りもさっさといこう!」


*****


「97ってなんだったっけ?」

「確か……人型のモンスターだったな」


*****


「『《アークスラッシュ》!』」


鎧を着たモンスターと同じスキルを放つ。お互いに弾き飛ばされる。そしてその隙にシンが突撃するけど


「《デスペラード》!」

『《ランスガード》!』


槍を回転させた防御に阻まれ


「《居合・瓦割》!」

『《フロントシールド》!』


高速の斬撃は前に出た盾に防がれた。

メタのようなモンスターたちに苦戦。魔法使いっぽいのがいなくて助かった。


「遠距離系もいたら即死だね」

「そうよね……」

「どうやれば良いんだ……」


魔王はどうやってここを突破したんだろう。そもそも一人だったのかな? 魔王と僕の違いは……装備だ。

魔王は装備を壊したんだ。


「でもそんなスキル、無いし……」


《真炎龍の天剣》の力を解放しても届かないのは分かっている。特性とは違うんだ。


「アリア! 交代して!」

「っ、どうして?」

「双剣なら剣士とやり合える!」

「分かったよ!」


床を蹴る。背後から迫る攻撃に目を向けない。だってそれはすれ違ったエミリアが対応したから。


*****


「ねぇ、マモン」

「んー?」

「あの2人を行かせた理由、なに?」

「何もないよ?」

「嘘でしょ」

「ホントホント」

「ダウト」


マモンは笑顔で両手を振る。だけどその目は何かを企んでいるって分かるのよ。


「アリアを襲うかどうか、試したの?」

「えー? そんなのじゃないよ」

「なら吐きなさい」

「ん……シンとさ、アリアが仲良くならないかなーって」

「親か⁉︎」

「姉よ!」


リアルでは貧乳なのにここぞとばかり胸を張るマモンに憐憫の情すら湧いてきた。


*****


「いないと思ったらこっちにいたのね」

「だね」


床を蹴って加速。矢を避けて魔法使いに切り掛かる。一回、二回、三回切って跳躍。天井に着地。


『《フロストフロア》!」

「「っ⁉︎」」

「《真炎龍の天剣》の力解放!」


剣身が焔となった。それを全力で振り抜く。足元が凍りついた2人にもダメージがあるけどポーションで回復している。もっとも魔法使いたちも回復役に癒されているっぽい。


「コンビネーションは抜群ね」

「98まで来て超絶今更感だね」


あはは、と笑いつつ天剣を振るい、切り裂く。真上からの切り下ろし、そのまま足で踏み潰す。そして心臓の位置を刺し貫く。


「そっちは終わった?」

「うん」

「まだね!」


エミリアが低い体勢で駆ける。そして高速で移動する回復役を追いかける。だから手伝おうとしたら


「邪魔をするな!」

「エミリア……?」

「エアリミに近い……どうしたものかね」


シンは一瞬躊躇って


「止める」

「だね」


シンと頷きあって床を駆ける。さほど広くない空間なのに追いつけないのは


「《回復》スキルの中級、《聖なる護り》だね」

「通称反射スキル……面倒な」


エミリアの剣戟は反射をものともしていないけど、それで距離が詰められていないことにやきもきしているようだ。とりあえず背後から近づくと気づかれていた。


「近づくなって言ったじゃない!」

「断るよ!」

「お姉ちゃんは馬鹿だからね、僕たちがいないとダメなんだ」


*****


「……」

「……拗ねちゃったね」

「子供っぽいのは昔からだよ」

「拗ねてない!」


エミリアの拗ねた言葉に苦笑していると


「っし、切り替えた!」

「「ええ!?」」


エミリアの言葉に2人で驚いていると


「後2層、張り切って行こう!」

「そうだね」

「うん」


2本の剣を抜いてため息を吐く。次のボスは誰何かなー、と思っていると


「……なんだろう、これ」

「何かな?」

「うーん……多分、スライムかな」

「スライムってこんなに大きくなるのかね?」


あまりの大きさのスライムに驚いていると


『ぺひょぉぉぉぉぉぉ!』

「なんて気の抜ける声なの……」

「とりあえず行くよ!」


エミリアが飛び出して


「《居合い・神風》!」

「……お姉ちゃん!」

「何?」

「刀! 溶かされている!」

「え!?」


エミリアの《天魔斬刀》の刀身が半分ほど溶けて、切れる状態じゃない。アレじゃあもう、エミリアは戦えない、そう思ったんだけど


「一旦下がりなよ!」

「嫌よそんな負け犬みたいな真似!」

「負けず嫌いも相変わらず……かぁ」


シンはため息を吐いて腰を落とし


「《ソニックブーム》!」


遠距離からの斬撃はスライムを切り裂く。見た目と違って体力が多い。誰だスライムが弱いなんて言った奴。多分ドラクエ〇に何割かの原因がある。


「武器破壊モンスター……このタイミングでそれかぁ」


両方の天剣を解放して構える。この状況だと物理としての剣身は失い、魔法としての剣となった。

僕の剣速はスライムの目に追えないくらいだろう、だから躊躇無く近づいて斬りかかる。しかし


「スライムの目ってどこ?」

「知らない」

「同じく」


刀身がボロボロになりながらも戦い続けるエミリア。僕の作品があんな無残な姿に……切ないなぁ。ま、何度でも作り直して上げれる。それが僕の、戦場鍛治師の存在理由だ。


「なんだか極端な思考をしていない?」

「気のせいだよ」


エミリアの言葉に適当に返しつつ切りつける。スライムに物理攻撃は効き辛い。だからなのかエミリアも刀だけで頑張っている。実は双剣のほうは物理しかないのだよ。刀の方は魔法攻撃としてのダメージもある。


「《ダブルテンペスト》!」

「「《絶刀・神薙ぎ》!」」


魔法属性の刀スキルと連続攻撃。スライムは大きく膨らんで僕たちを押し潰そうと迫る。斬りつけて隙間を作り続ける。一瞬でも手が止まると潰される。


「っつあぁ!」


全力で《真炎龍の天剣》を振り抜く。炎がスライムの体を蒸発させる。そのまま《真風龍の天剣》を振り抜く。烈風がスライムの体を切り裂く。一瞬の隙すらも与えないで切り刻み続ける。


「《スターダストスプラッシュ》!」


*****


「100層って一体何が出るんだろうな?」

「さぁな、前人未到領域だ。アリアたちが最初なんだろうな」

「装備を使い物にしなくなったスライムか……鍛冶師を連れて行かないといけないってのは面倒だったな」

「アリアはどっちもいけるけど他に最前線急の鍛冶師がいないからな……」

「言っておくがアリアが異常なだけであれほどのプレイヤーを求めるほうが悪い」


*****


「で、何なのこいつら」

「さぁね」

「とりあえず苦戦しそうだ」


3人の人型モンスターにため息を吐く。

2本の剣を持った小柄なツインテールのモンスター、一本の刀を腰に携えたモンスター、そして剣とも刀ともとれるのを持ったモンスター。紛れも無く僕たちだ。


「どうする?」

「自分で自分を相手すれば良いんじゃない?」

「そうだね」


2本の剣を抜き、二刀流ツインテールの前に立ち塞がる。


「悪いけど僕、そんなに小さくないから」

「「え」」

ごめん、結晶の塔はあと一話続きます

長い早くしろと思われているでしょう

それについては謝罪します

謝罪しますって言うと社会人っぽいけど高校生な作者


今回は某ドラクエの最初の敵であるスライム先輩が登場しました

昔からどんな材質か気になっていたので今回は酸、ということで武器破壊モンスターにしました

ちなみに触れられるとダメージは小さいですが防具の耐久が減っていきます


作者のリアルの友人が「ここあ」という名前で小説を書いていたようです

確か「fantasy of LOVE」とかいう名前でした

興味を持たれた方は是非閲覧してみてはいかがでしょうか?


もう一人の友人が書いているのは「ももたろう」と「うらしまたろう」を改変した短編でしたね

「吉富ユウキ」という名前ですがこちらもどうぞ


他人の宣伝って楽しい!

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