結晶の塔 終わりが見える位置
「何これ? ドラゴン?」
「ドラゴンホースではあるね」
龍馬? 将棋? と、思ったら
「竜の落とし子よ」
「竜の落とし子⁉︎」
とりあえず倒して89階。次で90階だ。そろそろ真面目に協力している。
「うん、進もっか」
「そうね」
「うん」
3人で螺旋階段を登り、ギリギリのラインから眺める。
そのモンスターはまるでたくさんの楽器が合体したような姿だ。
「凄く……大きいです」
「やだ卑猥」
「女の感性が分からない……」
リコーダーの咥える部分を舐めるのは紳士として常識らしいからね、卑猥って思うのも仕方ないと思うんだ、うん。
「とりあえずシン、行けよ」
「分かったよ……え、行け?」
「様子見」
麗しい姉弟の会話からの姉による弟の押し出し。そして
「ピアノが鳴り出した⁉︎」
「音符が飛んで来てる⁉︎」
「音符攻撃ってなんだかロマンチックね」
「そこの傍観者2人も手伝ってよ⁉︎」
シンは叫びながら駆け回る。しかし楽器モンスターの動きも速く、後ろから追いかけつつ音符を飛ばしている。
「エミリア、僕は右から」
「左ね」
同時に最後の段を蹴ってフロアに。そのまま振り向こうとする楽器の肩の部分、ギロに向かって剣を振り下ろす。弾かれた。硬い。
「スキルを使わないと弾かれるかも!」
「っ⁉︎ マジで?」
「うん!」
「マジかよ……《スターダストスラスト》!」
高速の3連撃が背後からギターを撃ち、
「《デュアルスプライサー》!」
高速の11連撃がギターの弦に受け止められる。リコーダーからギターと弦に持ち替えた⁉︎
「嘘……」
「なんだこいつ……」
「楽器を粗末にしているじゃん!」
「「お前が言うな」」
確かに攻撃したけどさ! 2人揃って言わないでよ!
*****
「僕は緑ガジェットを召喚、そして召喚時効果にチェーンして影蜥蜴を召喚し、赤をサーチ」
「星4のモンスターが2体……来るぞユウマ!」
「僕は星4の緑ガジェットと影蜥蜴でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚! 番号39、希望王ホープ!」
「はいはいホープホープ」
「じゃ、レイ重ねるね」
「テンション下がったね」
「思いの外恥ずかしかったんだよ」
アジアンの言葉に苦笑して
「ライトニング重ねるね」
「奈落で」
「ええ⁉︎」
「そこの2人。遊ぶのも良いけど仕事はしたの?」
「「はーい」」
「分かったわ。何か食べる?」
「僕は良いや」
「私は……あのクッキー」
マモンのクッキーをぽりぽり食べつつ、ふと気付く。
「これって道具のカテゴリー的に何なの?」
「《飛び道具》じゃないかな? ほら、トランプ投げたりするじゃん」
「……うん」
しないけどね、という言葉を飲み込む。
「6D'sってギルドがカードとバイクで戦うスタイルらしいよ」
「まんまじゃん」
*****
「シン! 止めて!」
「くっ……」
シンの手が剣を抜こうとし、止まる。どっちのを狙うべきか、と悩む。
「さっさと倒して!」
「だけどそれじゃお姉ちゃんが⁉︎」
「僕は⁉︎」
狐の尻尾に巻かれた僕たちを救おうと躊躇するシン、そして
「止めろぉっ!」
狐が尻尾を振り、僕とエミリアをぶつける。ダメージが大きいけど衝撃で小瓶が割れた。体力回復。
「……《リンク》!」
「エミリア⁉︎」
「良いの!」
ステータスを上げ、尻尾による束縛から脱出、そのまま抜刀し、僕も解放した。
「それを使ったら!」
「十分の1でしょ。さっさと片付けて進むわよ!」
目で追うのもやっとの速度でエミリアは狐の頭の下に。そして
「《絶刀・枝垂》!」
「抜刀状態スキルの中級まで会得していたんだ」
「そんなことよりも行くぞ!」
「はーい」
シンと共に床を蹴って怯んでいる狐の頭へ斬りつける。そのまま回転し、首の下へ。そして切り上げる。《致命的位置》を攻撃。全損。
「急ぐよ!」
現在の階層は93。残り7つ。
僕とシンの隙間を抜けてエミリアが頭一つ出る。そのまま低姿勢で駆け抜けて
「《居合・羅刹》!」
「《ダブルテンペスト》!」
「《スターダストスプラッシュ》!」
一気呵成に叩き込む。仰け反った巨人の股間にエミリアが斬撃を叩き込み、シンが内股になった。
太ももを駆け、腹を登り、胸で跳ぶ。そして
「《ミーティアメテオ》!」
加速して顔面に重攻撃。体勢を崩す巨人に追撃を加えて全損させる。
協力はしていない。ソロプレイヤー3人がそれぞれ自由に戦っているだけだ。
「邪魔だ犬コロ!」
「ワンワンが……」
「「ええ⁉︎」」
シンとエミリアの攻撃を受け、キャゥン⁉︎ と、泣いた子犬。可愛いのに
「炎を吐く犬って現実にいたらどうなんだ⁉︎」
「少なくとも辛い物を食べたら口から火は出るね」
「言っている場合かなぁ?」
なんとか倒し
「次は94……」
「エミリア⁉︎」
「お姉ちゃん……アリア、僕たち2人で行くよ」
「うん」
「追いつくから……待ってて」
「「うん!」」
2人で頷き、エミリアをおいて駆ける。《リンク》スキルの時間が切れて、10分間ステータスが十分の1になっているんだ。
階段を6段飛ばしで駆けて
「蛇だね」
「うん」
尻尾と毒液を避けて鱗を何枚か弾き飛ばす。ダメージは内側のお肉にしか与えられないみたい。貫通系か重量系ならもっと楽だろうね。
「シン!」
「分かってる!」
シンが前に出る。そして噛み付きを逸らして一撃。鱗が弾け飛ぶ。露出するお肉。
「ふっ、ほっ、っと」
連続した斬撃は鱗を次々と剥ぐ。そして大きめに露出した部位へ
「《ミーティアリープ》! からの《スターダストスプラッシュ》!」
突進して片方の剣がお肉に埋まる。そしてもう片方で連続切り。一気にダメージが。そのまま体を蹴って剣を引っこ抜く。
「《罪と罰》!」
貫通して来た剣の鋒に驚きつつ、螺旋階段の下に向かって叫ぶ。
「大丈夫だよ!」
*****
剣を抜こうとする手を止める。95階。魚鳥だ。顔面は鳥、翼も鳥。後は魚の酷いコラモンスターだ。
「美味しそう?」
「食べ物として見るんだ」
驚きながらも左右に分かれ、飛来する羽根を避ける。高速で移動するアリアの速度は追えないのか僕だけを見ている。だから逃げに徹する。そうすれば時間を稼げ、アリアが攻めれる。
「水のブレスもあるのか」
範囲攻撃を壁に着地する事により、回避しつつ見回す。今のエリアは……どこだ。どこかのビル街のようだ。雰囲気ぶち壊しな魚鳥がいるけど。
「っとと」
狙われているから一箇所に留まるのもまずいのでビルの壁面を駆け上がる。そして壁を蹴り、宙を舞う。驚きの眼差しの魚鳥に向けて
「《ミーティアランス》!」
片手長剣突進と突きスキルの併用で貫通し、地面に落とす。そのまま2人でぽこぽこして
「大丈夫!」
アリアの言葉にお姉ちゃんの返事、それを確認して進む。
*****
「アリアたち、突破出来るかね?」
「さぁな、あのダンジョンは98までなら突破できるだろう」
「そこから先の2つはパーティ選ぶもんなー」
「攻撃系だろ? 苦戦するだろう……が」
「アリアなら余裕か」
「お前ら将棋の駒でドミノすんなよ」
魔王に言われ、驚いた拍子にドミノが倒れ始めた。
サブタイトルがどんどん適当に……
ひよちゃんの出番無しが続いて辛いです
それとこの小説は作者が決闘者なのでちょくちょく遊戯王ネタが入ります
ご了承プリーズ(111話にして超絶今さら感)
楽器に思い入れのある方は不快な思いをされたかもしれません
それについては深く謝罪申し上げます
?「だが私は謝らない」




