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後悔しても、君が好き  作者: ぽてと。
4/5

変わらない時間

ただ一緒にいるだけの時間。

今回はそんなお話です。

「今日部活だよね、一緒に行こ」

紬にそう言われて、少しだけ驚きながら頷いた。

「……うん」

 昨日のことなんて、なかったみたいに。並んで歩く廊下は、いつもと変わらないはずなのに、なぜか少しだけ、意識してしまう。

「なんか今日静かじゃない?」

紬が横から覗き込んでくる。

「そう?」

「うん。いつももっと喋るのに」

くすっと笑われて、

「気のせいでしょ」

そう返すと、紬は「そっか」と軽く流した。

鞄を下ろして、いつもの席に座った。今日は、雨の絵でも描こうかな。そんなことを考えながら、スケッチブックを開く。

「あっ、澪。何描くのー?」

振り返ると、興味津々な顔をした紬が立っていた。

「特に決まってないよ。紬は?」

そう聞くと、

「私も決まってないけど、澪と絵描きたいなーって!」

満面の笑みで、そう言う。あぁ、また。心臓が、きゅっと縮まる。

「じゃあ隣いい?」

当たり前みたいにそう言って、紬はすぐ隣に座った。

肩が少し触れて、また、変に意識してしまう。その顔を見ているだけで、どうしようもなく嬉しくなる自分がいる。

 あの子にも、こうやって笑うのかな。

ふと浮かんだその考えに、ぞくっとした。何考えてんの、私。こんなときに。

「澪さ」

紬が、ふいにペンを止める。

「ん?」

「なんか、落ち着くんだよね」

「……なにが?」

「こうやって一緒にいるの」

さらっと言われた一言に、また、心臓が変な音を立てる。

「他の子と描くのも楽しいけどさ。澪だと、なんか違うっていうか」

少しだけ考えるように言って、

「うまく言えないけど」

そうやって笑う。なんで、こんなに嬉しいんだろう。

「……ありがと」

小さくそう返すと、紬は少しだけ驚いた顔をした。

「珍し」

「え?どうして?」

「いや、澪がちゃんとそういうこと言うの」

くすっと笑われて、

「たまには言うし」

ちょっとだけむっとしながら言い返す。

「ふーん」

「なにその顔」

「別に?」

楽しそうに笑う紬に、

つられて少しだけ笑ってしまう。こういう時間、嫌いじゃない。ただそれだけなのに、なぜか少しだけ、胸の奥があたたかくなった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

少しずつ変わっていく気持ちに、気づかないままの時間。

次もぜひ読んでいただけると嬉しいです!!

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