第2話
走り出しす馬車にビビは興奮して、窓に張り付く。
部下はそれを目にして、レインを見る。
レインは興奮しているビビを眺めている。
「レイン様」
レインは部下に目をやる。
「あの男。良からぬことを考えている可能性が高いですよ」
「グレックか。ならそれはそれで構わない。鉱山に放り込めばいい」
「いくら放り込んでも足りませんからね。先月は五人も崩落で死んだようですし」
「そうだったな。まあ、その前に大きな鉱石が出たからな。死ぬ前でよかったな」
「そうですね」
「止まれ」
レインは御者席を繋ぐ小窓を叩く。
馬車は止まり、ドアが開く。
「レイン様?」
「ビビの服がないからな」
ビビに続いてレインが降りる。部下は何とも言えない顔で馬車から降りた。
ブティックに入ると、上品な店員が慌てて出迎えた。
「これはこれはヴァーシヴァル様。お越し頂いてありがとうございます」
レインはビビに目を向ける。
「この娘に必要な物を」
店員はボサボサの髪にみすぼらしビビを見て一瞬驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になった。
「はい。お任せ下さい」
店員はビビを連れていこうとする。ビビは不安げな顔でレインを見た。
「大丈夫だ。行ってきなさい」
ビビは店員の後をついていった。
「よろしいんですか?」
レインは部下を見る。
部下は眉を下げる。
「噂が広がります」
「ビビか」
「何故引き取ったのですか?」
「アルビー」
凍てついた眼差しでレインが名前を呼ぶ。
「お前はいつこの私に意見を持つようになったんだ?」
アルビーは青くなり頭を下げる。
「申し訳ありません」
「お前の代わりはいくらでもいる」
アルビーは謝罪する中でホッとする。
冷酷が消えた訳ではないたと。
アルビーは冷酷非道なレインに心酔しているのだ。




