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老魔法使いのケットシー  作者: まめ まめみ


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第四話 椅子を削る猫

 工房の日当たりの良い一角には、椅子がある。背もたれのある、古い揺り椅子だ。

 いつの頃からなのか、猫の爪痕が年輪のように刻まれている。


 ぎぃ……ぎぃ……と、老魔法使いが座る椅子が小さく揺れた。

 

「……なんでじゃ……なんで毎回、ワシの椅子なんじゃ……」


 カリリ……、カリリ……と、乾いた音が重なる。

 

「師匠の居眠り椅子は、猫にとっては爪とぎ椅子、ということですね」


 猫は答えない。

 代わりに


 ガリガリガリガリ……!


「なんでじゃあぁ〜……!」

 

 爪を研ぐ音は、しばらく続いてから、ようやく止まった。

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