第55首
第55首お届けできました。
第55首
背後から
這いずる音が
ついてくる
深夜2時の
ホテルの廊下
短歌解説
私の知り合いの教師から聞いた話です。
彼は修学旅行の引率で、ある県の某ホテル(ホテルが特定されると困るので詳しくは書けません)に生徒を連れて宿泊することになったそうです。
修学旅行は2泊3日の日程で、同じホテルに連泊したのですが、1日目の夜は何事もなく過ぎたそうなのですが、異常な現象が2日目の夜に起きたんだそうです。
深夜の2時頃、彼が夜中の見回りでホテルの廊下を同僚と歩いているとき、背後から、ずりっずりっという床を這いずるような音が聞こえたのだそうです。ホテルは彼の学校の貸し切りですから一般客はいませんし、生徒がそんな時間に廊下に出てくるはずもなく(やんちゃな生徒が多い学校ならあり得るかもしれませんが、彼の学校は落ち着いた生徒ばかりでしたので)、背後から聞こえてくる音に、彼は言いようのない恐怖を感じたそうです。廊下には照明が点いていましたが、深夜なので明るさを落としてあって、薄暗かったのも恐怖心を煽っていたようです。
横にいた同僚も恐怖を感じていたようで、「なんか音聞こえるよな?」と同意を求めてきたそうです。
そして、お互いにうなずき合って、意を決して後ろを振り返ったとき、彼らが見たのは、10メートル先ぐらいで、這い這いしながらこちらに近づいてきている赤ん坊の姿だったのだそうです。そして、その赤ん坊の目の部分がくりぬいたような漆黒に見えたそうです。
「すごく恐怖を感じたときは、悲鳴すら出ないんだな」
彼はその時の出来事を、そう締めくくりました。
何年か後に、転勤先の学校で、修学旅行の計画案が旅行代理店から出されたとき、宿泊先がそのホテルになっていることに気付いた彼は、猛反対したそうです。
それにしても、ホテルの廊下を徘徊している赤ん坊の霊は,いったい何なのでしょうか?
残り45本
風邪なのか、鼻水と咳がとまらんのでたまらん。




