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第50首

第50首お届けできました。

第50首


午前2時

汽笛が2回

鳴っていた

走れるはずない

線路の方角


短歌解説

 私の実話です。

 訳あって、H市にある自宅に長期滞在していた時のことです。

 数年前に起こった洪水で、Y市とH市を結んでいた線路は壊滅的な被害を受けました。

そのために、今でも鉄路の復興のめどはたっていません。かつてその鉄道路線には観光列車のSLが走っていたのですが、そのSLがH市に来ることは出来なくなってしまいました。

 ところが、私が夜中にコンビニに自転車で向かっているときに、SLの汽笛の音が遠くから聞こえてきたのです。ポーーという力強い汽笛の音は、線路がある方向から聞こえてきました。あり得ない出来事だったのですが、私は不思議と怖さは感じませんでした。

 むしろ私は、SLがH市の市民に対して、復興へ向けてのエールを送ってくれたのではないかと思えたのです。真夜中だったのですが、私の他にも汽笛を聞いた人がいるかもしれません。

 コンビニから帰った後、買ってきた缶ビールを捧げながら、「ありがとう」と言いました。


残り50本


今年の10月にSLがH市に帰ってきました。もう線路を走ることはないですが、嬉しい出来事です。

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