第43首
第43首お届けできました。
第43首
なぜかしら
中央線を
跨いでる
友の運転
夜中の県道
短歌解説
私の実話です。
大学時代、私は第8首に登場したOから、スケートに行こうと誘われました。その時は、もう午後9時を過ぎていましたので、今から行っても30分も滑れないんじゃないかと言いました。
するとOは、「大丈夫だ。24時間営業のスケートリンクがある」とドヤ顔で言い放ちました。訊くとR丸野外スケート場という場所があって、そこは24時間営業をしているということでした。
言い出したら反論しても聞かないOでしたので、仕方なく彼の誘いに乗りました。
F市から1時間ほど車で走った所にあるR丸野外スケート場に着いたのは、午後1時過ぎでした。その時間でも、R丸野外スケート場には、そこそこの客がいました。
私はスケート初心者で、滑るのがやっとの状態でしたが、客が少なく滑るスペースが充分にあったので、ストレスフリーでスケートを楽しむことが出来ました。
Oは、かっこいい止まり方に執着していて、急激にエッジを効かせたためか1メートルも空中を飛んで氷に激突したりしていました。
私は、人間が空を飛ぶ瞬間を初めて見ました。
なんやかんやでスケートを楽しみ、帰路についた時には、午前2時を回っていました。
Oが例の軽ワゴンを運転し、私が助手席に座っていたのですが、ふと気付くと、ときどき車がセンターラインを跨いでいました。
それが何回も続くので、運転席のOを見ると、あろうことかOが目を閉じていました。
奴は居眠り運転をしていたのです。
私は、慌ててOをたたき起こしました。
「ばかやろう、起きろO」
私の怒鳴り声に、ハッとOが目を開けました。
その時、私の耳元で、「チッ」という舌打ちが聞こえました。
あの舌打ちをしたものは何だったのでしょうか?
その後、Oは私の厳重な監視の下、F市まで安全運転をしてくれました。
残り57本
舌打ちしたのは、もしかして睡魔だったのですかね?




