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第25首

第25首お届けできました。

第25首


怖いから

もうアパートには

帰れない

でも部屋じゃない

あなたに憑いてる


短歌解説

私の知り合いに聞いた話です。

 どんないきさつだったのかは忘れましたが、怖い話を仲間内ですることになって、私にとってはあまり怖くない、第6首で話したGのエピソードを話しました。

 話を聞いた友人たちは、合沢って意外と冷たいんだなとひんしゅくをかってしまいましたが、まあそれでも面白がってくれました。

 すると友人の一人が、「俺の知り合いも似たような経験をしたことがあるらしい」と話し始めました。

 その知り合いを仮にAさんとします。

 Aさんが住んでいるアパートの部屋で、ポルターガイスト現象が唐突に起こり始めたらしいのです。ラップ音は鳴るし、本棚から突然本がはじき出されたように落ちるし、壁のカレンダーがフワッと浮くし、とにかく奇妙な現象が続いたようです。

 霊を見ることはなかったらしいのですが、Aさんは怖くなって、そのアパートが事故物件ではないのかと調べたようです。結果は事故物件ではなく、なぜそんな怪奇現象が起こるのか分からなかったそうです。

 しかし、怖すぎるのでアパートには帰ることができず、引っ越し先が決まるまではマンガ喫茶で寝泊まりしていたらしいです。

「でもな、引っ越して一ヶ月ぐらいは何もなかったらしいんだけど、一ヶ月を過ぎた頃からまたポルターガイスト現象が起こり始めたらしいんだ」

「Aさん自身に霊が取り憑かれていたんだな」

 友人は肯きました。

 Aさんは、人づてに除霊ができる霊能者を探して、お祓いを受けたということでした。「じゃあ、そのAさんは、今は怪奇現象に悩まされていないんだ」

 私がそう訊くと、その友人は神妙な面持ちで、「いや、また始まっているらしい」と言いました。どうやら、その霊能者はエセ、もしくは能力が低く、除霊は失敗に終わったようです。

「合沢は除霊は出来ないの?」

 友人に訊かれて、私は首を横に振りました。

 除霊の念仏はたまに唱えますが、あれは私に悪霊が近づかないように結界をはっているだけで、取り憑かれた人から霊を剥がすような強力な能力はありませんから。

 見える人、イコール除霊ができるではないのです。


残り75本

私の力は弱いので、除霊の念仏を唱えても必ずしも防御できるとは限りません。

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