第22首
第22首お届けできました。
第22首
山道の
S字カーブを
歩いてる
手押し車の
婆さんがいる
短歌解説
第8首に出てきたOから聞いた話です。
バイトが終わって温泉に入りたくなったOは、大分にある温泉に入りに行こうと思ったそうです。そこでバイト仲間の友人と一緒に、3人で大分まで向かったそうです。
私も一度、ただで入れる温泉があるからと誘われ、近くにあるのかと思っていたら、熊本の山奥にある温泉に軽ワゴンで連れて行かれたことがあります。その時に、「ただより高いものはない」を実感しました。
Oはフットワークが軽いというか、後先を考えずに猛進するというか、温泉じゃなくても近場の銭湯でも良いと思うのですが、とにかく温泉に入りたいと思った彼は大分に向かったようです。
大分の温泉に午後9時ぐらいに着いて、そこで小一時間ほどゆったりした後、帰途についたそうです。
帰路にあるS字カーブが続く山道に入った時は、午前0時を回っていたようです。
峠を過ぎたとき、手押し車を押して歩いているおばあさんを目撃したそうです。その時は、なぜこんな時間におばあさんがと少し不思議に思ったそうですが、近くに家でもあるのかなと自分なりに納得したそうです。
しかし、そのおばあさんを追い抜き、少し下った時、前方にまたそのおばあさんがいたそうです。その時になって初めて、そのおばあさんが得体の知れないものだと認識したのでした。
Oと助手席に座っていた友人は、思わず「わーっ」と叫んだそうです。スピードを出して、そのおばあさんらしきものを追い抜き、「何なんだ、あのばあさん」と言っていたら、また前方にそのおばあさんらしきものがいたのだそうです。
学食でその話をした後Oは、「あそこはS字カーブが続くから、おばあさんは直線で下る道を下っていたのかもしれん」と、あり得ない理由をつけて恐怖体験を無いものにしようとしていました。よほど怖かったのでしょうね。
ちなみにその道には、直線で下る道などありません。
残り78本
Oには霊を引き寄せてしまう何かがあったのでしょうか。




