第13首
第13首お届けできました。
第13首
怪談を
聞く背後から
おどかすと
悲鳴と同時に
笑う声した
短歌解説
私の実話です。
私は高校時代に、どうしたらターゲットを怖がらせることができるか考えて、2つの方法を考えました。
1つめは、肝試しでの怖がらせ方です。この肝試しは、男女ペアで目的地に置かれた御札を取ってくるというやり方で行います。
ただ単に御札を取ってくるだけで、途中でお化け役がおどかしたりはしません。暗い夜道を行って帰ってくるだけです。
ターゲットは一番最後の組の男です。最後の組が肝試しに出発したら、先に帰ってきた全員は見つからないように隠れてしまいます。そうです。最後のペアが帰ってきたときに、誰もがいなくなっているのです。
肝試しの道中に何もなくて安心したと思ったら、「えっ?」と声を出したくなるようなな気味悪い状況になっているのです。
それでも1人きりではないので心細さは半減しますが、ペアになってた女子も仕掛け人です。おびえて見せながら、みんなを探すことを男子に促します。こんな時男子は見栄を張って、女子を前に立たせて歩かせるようなことはしませんから、自分が先に立って歩くでしょう。女子は、「怖い…」と言いながら、男子の手を後ろから掴むのも良いでしょう。
そして建物の角を曲がる前に、女子はタイミングを見計らってさりげなく手を離し、男子が角を曲がったと同時に隠れるのです。
気付いたら1人きりになっていた男子は、すごく怖いと思います。
さすがにこれを実際に行うとターゲットになった者から首謀者が恨まれると思ったので、アイデアだけで満足していました。
2つめの方法は、怪談話での怖がらせ方です。
怖い話の途中で、「欲しいのはおまえの髪だあ」と叫んで、聞いている者の髪を掴むというよく知られたパターンがありますが、私の考えた方法もそれに似かよった方法です。
それを実際におこなったときのことを話します。
大学3年生の時でした。
夏休みに、他大学のサークルと合同合宿会が行われました。参加したのは総勢50名くらいでした。市街からちょっと離れたお寺の建物を借りての合宿でした。お寺の建物は部屋数も多く、広かったので泊まるには充分でした。男子たちは大広間で布団もない雑魚寝でしたが。
合宿といってもメインイベントは飲み会でした。何人かで酒を酌み交わしていると、場所がお寺ということもあってか、「怖い話が聞きたい」という女子がいました。するとそんな話が得意なCという男が、話を聞きたいという女子二人を離れた場所に誘って怖い話を始めました。
実は私は、こういう流れになるかもしれないと予想して、かねてから考えていた怖がらせるアイデアをCとYに話していたのです。
私とYは、話を聞いている女子たちの背後に静かに忍び寄り、女子の後ろに気配を悟られないように正座し、怖い話の最後のフレーズを待ちました。
Cが、「その時、背後から白い手が、」と言ったところで、私とYは女子たちの背後から、彼女らの顔の直ぐ横に手をぬっと伸ばしました。
「キャアー」と女子たちが、けたたましい悲鳴をあげ、他の場所にいた者たちが何事が起こったんだというふうにこちらを見ました。
その時にYには聞こえなかったらしいのですが、上の方から、「ふふふふ」と笑う声が聞こえたのです。
あれは何だったのでしょうか?
女子たちの悲鳴が、何かの悪い霊を呼び寄せてしまったのでしょうか?
だとしたら、私はとんでもない降霊術を、自分でも意図しない形で行っていたのかもしれません。
残り87本
今いるところがお寺ということを、すっかり失念していた当時の私の浅はかさ。供養を求めてお寺にすがってくる浮遊霊もいるでしょうし。




